レスリング女子５０キロ級で東京五輪金メダリストの須崎優衣（２２）＝早大＝が２２日、オンラインで会見し、大学卒業後の今年４月から千葉県に本社を置くバルブ製造業の「株式会社キッツ」に入社することを発表した。母校早大を引き続き練習拠点としながらレスリングを続け、２４年パリ五輪での２連覇を目指す。

　須崎は千葉県出身で、中学２年からは上京してＪＯＣエリートアカデミーに入校。高校３年時に世界女王となるなど、１０代から頭角を現してきた。同社の河野誠社長によれば、アスリートとしてだけでなく、須崎の人間性にもほれ込んでいたといい、昨夏の五輪開幕前からいち早くオファーを出していたという。

　須崎は地元企業への“Ｕターン就職”を決めた理由として「生まれ育った千葉県から世界に羽ばたき活躍されている企業で、本社は幕張にある。私が東京五輪で夢をかなえた場所も幕張（メッセ）なので、縁を感じた」と明かし、「社会人としてもより精進し、キッツ（所属）として世界に羽ばたきます」と語った。

　昨年８月に金メダルの夢をかなえてからは２週間休養した後、再始動。テレビ出演などと並行して練習を続けてきた。今年６月の全日本選抜選手権で実戦復帰し、自身４年ぶりの世界選手権出場を目指す方針。来年は早くもパリ五輪代表選考が懸かる重要な１年になるだけに、「パリ五輪に出場して、絶対に金メダルを獲って２連覇できるように頑張りたい」と決意を新たにした。