鍵山優真SP7位から大逆転V「すごくビックリ」 父の言葉に感謝「切り替えできた」

 「フィギュアスケート・GPシリーズ第3戦」(6日、トリノ)

 男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)7位の鍵山優真(オリエンタルバイオ・星槎)はフリー197・49点、合計278・02点で、逆転優勝を果たした。フリーの得点は、銀メダルを獲得した昨季世界選手権を上回る自己ベストだった。

 SPを終え、首位とは17・36点差の7位。「昨日の演技が終わってから、心の切り替えがすごく難しくて。こんなにSPがボロボロだったことはあまりなくて、どういう風に立ち直ればいいんだろうって朝の公式練習まで考えていた」。絶望的な状況を救ったのは、コーチである父・正和さんだった。朝の公式練習後「立場とか成績とか関係なく、ただひたすら練習してきたことを頑張るだけ」と声を掛けられたという。「立ち直るというか、切り替えることができた」と鍵山。今季挑戦してきた4回転ループは回避し、今できる全力の演技を出し切ろうと誓った。

 冒頭の4回転サルコーをこらえながらも着氷すると、次々とジャンプを成功。昨季と同じ4回転2種3本の構成ながら、ほぼ完璧な演技を披露し、演技後は右手で何度も拳を握り喜びを爆発させた。

 「今季一度もいい演技をしていなかったので、跳べるジャンプが1つ1つ久しぶりに決まるたびに、跳べるぞ、やれるぞって。気合が湧いてきた。最後のアクセルを降りたときはうれしくて、思わず笑みがこぼれてしまいました」と照れ笑い。優勝が決まって出席したメダリスト会見では「すごくビックリ。今日は優勝するためとか、いい点数を取るためとかじゃなくて、ただひたすら頑張ることだけを目標にしていたので、点数や結果は気にしていなくて。ただ優勝できたことはうれしく思っています」と話した。

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