若隆景が大関連倒 流血激闘!朝乃山撃破 元小結の祖父・若葉山を「いつかは超えたい」

 「大相撲夏場所・3日目」(11日、両国国技館)

 東前頭筆頭の若隆景が流血激闘の末、大関朝乃山を破り、正代に続き大関を連倒した。体重127キロの細身で猛攻に耐え、攻め切ってあっぱれの2勝目。相撲一家の末っ子が元小結の祖父・若葉山に並ぶ新三役へ突き進む。朝乃山は連敗で2敗目。大関陣は照ノ富士が唯一の無傷3連勝。正代、貴景勝は2勝目を挙げた。三役以上では関脇高安、小結御嶽海も全勝を守った。

 鼻から流れ出る血が止まらない。朝乃山の猛攻をしのいだ若隆景が気迫の逆転星。持てる力を出し尽くした。

 立ち合い左に変わる奇襲。もろ差しで先手を取ったが攻め切れず、相手得意の右四つに持ち込まれた。そこから左上手で耐えて、出し投げで崩す。最後は自身より47キロも重い174キロを寄り倒した。

 先場所は上手を取られ完敗した相手に左から攻め続けた。「左上手を取られたら相撲にならない。そういう意識」と、戦略が鮮やかにはまった。先場所に続く2大関撃破。「我慢して攻められた」と納得顔で振り返った。

 細身ながら全身がバネ。小1から磨き続けた右おっつけを武器に、まさに“大関キラー”の活躍。土俵下で見た藤島審判長(元大関武双山)は「相撲がうまいだけじゃなく力強い」とうなった。

 長兄は幕下若隆元、次兄は十両若元春。末っ子の若隆景が3兄弟の出世頭だ。相撲一家で育ち、父は元幕下の若信夫、祖父は元小結若葉山。「いつかは超えたい。祖父の番付を目指してやっています」と、一家の最高位は目前に迫る。

 2001年に祖父が亡くなった時は6歳で記憶もあまりない。ただ1年程前、長兄が見つけた祖父の現役時の動画を見た。「その時は足取りの相撲を見て、やっぱりすごいな」。スピード、身体能力はやはりDNAのたまものだろう。

 26歳のイケメンは4人の子供を育てる父親。自ら包丁を持ち、器用に魚をさばく頼れる大黒柱でもある。いよいよ観客が入る4日目は全勝の高安に挑む。元大関の大物も“料理”し、観客を大いに沸かせたいところだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス