池江璃花子 2種目目の五輪内定 100メートル自由形V!歓喜の2冠

 「競泳・日本選手権」(8日、東京アクアティクスセンター)

 4種目で決勝が行われ、女子100メートル自由形は白血病からの完全復活を目指す池江璃花子(20)=ルネサンス=が53秒98で優勝し、大会2冠を達成した。個人での派遣標準記録53秒31には届かなかったが、400メートルリレーの派遣標準記録(54秒42)を突破し、400メートルメドレーリレーに続く2種目目の内定を獲得した。

 まだ細さの残る体のどこに、こんなパワーが潜んでいたのか。50メートルの折り返しで2番手につけると、ターン後スッと前へ。「そもそも狙っていなかった」という100メートル自由形を制し、池江が2種目目の女王奪還を果たした。大会前から「楽しみ」と公言し、準決勝後には「自信がある」と語った種目で、危なげなくリレー派遣標準記録を突破。2枚目の五輪切符をつかんだ。

 「(53秒)出せたのはうれしい」と言いながら、心に決めた53秒8にはわずかに届かず「もうちょっと出したかったのが正直な気持ち」と苦笑い。それでも、仲間と抱き合って喜びを分かち合い「新しいチームでリレーを組めてとてもうれしい」とにっこり笑った。

 2020年7月23日。1年後に開会式が行われる国立競技場の真ん中で、池江は世界へ向かって「1年後の今日、この場所で希望の炎が輝いてほしい」と語りかけた。自分がその舞台に立つ確信など、当時はなかっただろう。それでも小さな「希望」へ向け、一歩一歩、歩んできた。

 五輪本番では開会式翌日、大会初日の24日に女子400メートルリレー予選が行われる。日本代表の平井伯昌HCは「この1、2カ月の回復ぶりを見ると、五輪本番までどれくらい戻してくれるのかなと思った」と期待大だ。池江自身も「すごくハイレベルな4人がそろった」と仲間への信頼感を口にした上で「初日の流れは日本チームとしても特に大事。楽しみながらリレーのチームを引っ張っていけたら」。2度目の五輪。日本女王としての役割は自覚している。

 「数カ月でどこまで体力をつけて記録を伸ばせるかがこれからの課題」。苦難を乗り越え、たくましさを増した池江の心。宿す闘志の炎も日々、勢いを増している。

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