羽生結弦4年ぶりV奪還へいざ出撃 五輪前最後の国際大会でチェンと再戦へ

 22年北京五輪の枠取りが懸かるフィギュアスケートの世界選手権は24日にストックホルムで開幕する。日本からは男子の羽生結弦(26)=ANA、女子の紀平梨花(18)=トヨタ自動車=らが出場し、22日に公式練習がスタートした。20年大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止しており、今季もGPファイナルは中止。北京五輪プレシーズンながら、世界のトップスケーターが集結する最初で最後の国際大会となる。大会は無観客で、外部との接触を断つ「バブル」の方式で行われる。

 見据えるのは4年ぶりの王座奪還。羽生は21日に厳戒態勢で決戦の地・ストックホルムへと降り立ったが、22日の公式練習には姿を現さなかった。

 今季、これまで羽生が唯一出場したのが20年12月の全日本選手権。コロナ禍の情勢から「葛藤もある中」での大会出場だったと語っているが、その決断の最大の要因が「世界選手権へ向けて。自分自身がつかみ取りたい光に対して手を伸ばした」と話していた。大一番と定めていた舞台が、いよいよ幕を開ける。

 全日本選手権ではSP「レット・ミー・エンターテイン・ユー」、フリー「天と地と」をお披露目。両プログラムとも好演技を見せ、フリーでは参考記録ながら“自己ベスト”をマークした。練習拠点のカナダへ渡れず、コーチ不在でのトレーニングが続く中で「どん底まで落ちきった」というが「やり方は間違いなかった」。あらためて自信を深める大会となった。

 そんな羽生ら日本勢の前に立ちはだかるのが、世界選手権3連覇を目指すネーサン・チェン(米国)。いずれも国際スケート連盟(ISU)非公認記録のため単純比較はできないが、1月の全米選手権では、12月の羽生の得点を上回る322・28点をマークし、大会5連覇を果たした。

 2人の“直接対決”は19年12月のGPファイナル(トリノ)以来。羽生はSPで連続ジャンプが単発になるミスが出て出遅れると、フリーも差を広げられ43・87点差で敗戦。「めちゃめちゃ悔しい」とこぼしていた。

 あれから1年3カ月。「戦えなくなっているんじゃないか」と自問自答した時期もあったというが、全日本選手権後には前を向いて「やっと(経験値を)生かせるようになってきた。世の中の状況を見ながら、自分ができる最大限の努力をしたい」と語っていた。

 頂点を目指すことはもちろん、羽生自身が感じる確かな進化を、久しぶりの世界の舞台で発揮する。

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