角界全員PCR検査 全協会員900人、陽性者多数なら初場所ピンチ

 「大相撲初場所」(10日初日、両国国技館)

 日本相撲協会は7日、執行部会議で力士、親方、行司ら協会員全員、約900人が新型コロナウイルスのPCR検査を受けると発表した。首都圏に緊急事態宣言が発令され、観客の安全、安心のための緊急措置。協会は政府指針に沿い、観客5000人規模で初場所を開催する方針ながら、横綱白鵬(35)=宮城野=が感染し、荒汐部屋でも集団感染が起きるなど角界にウイルスの猛威は広がっている。検査で陽性者が多数判明した場合、初場所開催は危機となる。

 都内の感染者は最多2447人に達し、緊急事態宣言が発令される中、角界が初めて全協会員、約900人によるPCR検査を決めた。初日が3日後に迫る中、まさに緊急事態の様相だ。

 この日、年末年始に検査を受検済みの荒汐、宮城野、湊部屋を除く全41部屋に検査キットを配布。8日午後2時までに全協会員のキットを回収する。検査結果は8日夜から初日前日の9日までには、何とか判明する見通しだ。

 そのため初日、2日目の取組を決める8日の取組編成会議は9日に延期される。取組編成会議が初日の前日に行われるのは異例の事態だ。電話取材に応じた芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「お客さまの安心、安全のために」と説明した。

 6日には入場券販売を「売り止め」にした。政府指針に沿い、上限5000人規模で初場所開催の方針は変わらない。検査で約900人全員が陰性となれば、何よりの安心、安全のアピールとなる。

 一方で昨年12月中旬から立浪部屋、荒汐部屋で集団感染が発生。5日には横綱白鵬まで感染した。荒汐部屋の幕内若隆景ら全12人の力士と白鵬は初場所を全休する。宮城野部屋の白鵬以外の力士は全員が陰性だったが、感染拡大防止のため休場となる可能性がある。

 角界はウイルスの猛威にさらされている。今回の検査で陽性者が出た場合に関し、芝田山部長は「状況や症状を見て、感染症の専門家の先生と打ち合わせて、その先にどうするかを決めていく」と説明するにとどめた。万が一、感染多数なら場所の開催が一気に危うくなってしまう。

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