「柔道・全日本女子選手権」（２７日、講道館）

　体重無差別で争われ、７８キロ超級・東京五輪代表補欠の朝比奈沙羅（２４）＝ビッグツリー＝がまさかの初戦敗退となった。２回戦で７０キロ級の桑形萌花（１８）＝兵庫・夙川高＝と対戦し、８分３４秒で反則負け。将来医師を目指し、今春独協医大に入学した“戦う医学生”は「勉強と柔道（の両立）を言い訳にはしたくない」と悔し涙を流した。

　３年ぶりの優勝を目指した朝比奈だったが、相手のスピードと組み手に苦戦し、なかなか技を出せなかった。延長に入って指導２で並んだが、担ぎ技を狙ってくる桑形に対して攻めあぐね、３つ目の指導を累積。優勝候補の一角だったが、まさかの初戦敗退を喫し「素早い選手への対策ができず、いつも通りの重量級のスピード感で勝負しようとしてしまったのが敗因」と首をひねった。

　今春医大に入学し、勉強に追われて柔道の練習時間を思うように確保できなかった。今大会前も１週間前まで試験期間が重なり調整が難しかったというが、「言い訳にはしたくない。シンプルに試合に対する準備が不足していた」ときっぱり。「自分で決めたからには責任を持って、どちらも真剣に向き合いたい。柔道も勉強も言い訳しないで、両方ちゃんと組み立てないと行けない」と二刀流継続を誓った。