白鵬が貴景勝に闘魂注入 合同稽古で13勝2敗「次を育てる、私の役目」

 貴景勝(右)の攻めをいなす白鵬(代表撮影)
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 大相撲の合同稽古3日目が20日、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われ、3場所連続休場から再起を期す大相撲の横綱白鵬(35)=宮城野=が初場所(21年1月10日初日、両国国技館)で綱とりに挑む大関貴景勝(24)=常盤山=を三番稽古(同じ相手と続けて何番も取る)に指名し13勝2敗と圧倒した。

 相手の馬力を受け止め、いなして崩して寄り、投げ、はたき込みと自在。いきなり4連勝し1敗後にまた6連勝。最後は体力勝ちして3連勝で締めた。

 三番稽古後はぶつかり稽古に約4分、胸を出し、何度も土俵に転がした。泥まみれにして綱とりへの闘魂をたたき込んだ。

 初日に阿武咲(阿武松)を圧倒し、2日目に高安(田子ノ浦)と熱戦を演じ、3日目は先場所優勝し今、最も勢いに乗る相手にまだ力量差があることを見せ付けた。

 3日連続の実戦で8月に手術した右膝の回復は順調そのもの。「昨日は四つ相撲、今日は押し相撲ですかね。やっぱり日にちを空けてって感じ。まあ、いい稽古ができた」と納得の口ぶり。当初は小結照ノ富士(伊勢ケ浜)を稽古相手に予定していたが欠席したため、急きょ指名。綱とりを目指す相手と肌を合わせ「やっぱり先場所優勝ですからね。良い稽古できた」と、満足感を漂わせた。

 貴景勝には「強い壁を越えて上がるべき」と綱とりへ自身が壁になることを宣言していた。“前哨戦”は言葉通りの結果となった。

 この日は日本相撲協会公式YouTubeで合同稽古が初めて生配信された。コロナ禍で稽古模様もなかなか見られる機会がない中、「ライブ配信、ありがたい」など、ファンから書き込まれた。

 そんな注目の実戦で白鵬健在をアピール。「次を育てるってね、私の役目、大相撲に対しての恩返しにもなると思うし、そしてそれがね、結果を出してくれれば。きょうの稽古も生きてくるんじゃないか。まあ自分自身もそうですけど」と、史上最多44度の優勝を誇る横綱の貫禄を漂わせた。

 先場所後、横綱審議委員会(横審)からは史上初の「注意」決議を下され、初場所に進退を懸けて出場することを求められた。土俵際から復活へ、まずは合同稽古前半の3日を満点クリアした。

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