レスリング五輪予選代表が続々V逸…強化本部長が“惨状”に嘆き節「甘えがある」

 男子フリー125キロ級決勝で、山本泰輝に敗れた田中哲矢(右)=代表撮影
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 「レスリング・全日本選手権」(17日、駒沢体育館)

 計8階級が行われた。来春の東京五輪アジア予選に出場する男子グレコローマンスタイル97キロ級代表の奈良勇太(警視庁)、同フリースタイル125キロ級代表の田中哲矢(自衛隊)が相次いで敗れて優勝を逃す波乱があり、日本協会の西口茂樹強化本部長は「正直ふがいない」と嘆き節だった。

 まだ五輪代表が決まっていないこれらの階級は、昨年12月の全日本選手権覇者が今年3月の五輪アジア予選で出場権を狙う予定だった。しかし、新型コロナの影響で同予選が中止。五輪自体も延期となり、来春に延期となったアジア予選への代表も据え置きのため、今大会への出場義務はなく、アジア予選代表の中には出場を回避した選手もいる。

 とはいえ、コロナ明けとなる今大会に出るからには代表として国内最強を証明したいところだったが、4連覇中だった奈良は準決勝で敗れて3位。「気持ちの面で100%じゃなかった。ちょっと気が抜けていた。アジア予選代表でありながら国内で負けるのは良くない」とうつむいた。田中も決勝で敗れて連覇を逃し、「焦ってしまった。試合となるとプレッシャーや緊張がくると改めて感じた」と反省しきりだった。

 コロナ禍による調整の難しさがあったとはいえ、ただでさえ国際舞台では厳しい戦いが想定される重量級代表の“惨状”に、西口強化本部長はおかんむり。「勇気を出して出場したのは評価するが、これくらい勝てるだろうという(慢心)のがありあり。もう一度(日本一を)勝ち取る気じゃないと重量級のアジア予選は厳しい」と危機感をあらわにし、「甘えがある。必ず五輪に出たいという必死さが全く足りない」と苦言を呈した。

 昨年の全日本王者を五輪アジア予選に派遣することは選考基準として明文化しているため変更はないものの、西口強化本部長は「(日本で)1番強い者を連れて行く」と強調。「負けたことをどうプラスに持っていくか」と残り約3カ月での再起を促した。

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