宇良 珍手「後ろもたれ」でV戦線踏みとどまる「たまたまです」

 東龍(左)の中に入り込み、背負おうとする宇良(撮影・伊藤笙子)
 東龍(右)を後ろもたれで破った宇良(撮影・伊藤笙子)
 東龍(左)を後ろもたれで破る宇良(撮影・中田匡峻)
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 「大相撲11月場所・14日目」(21日、両国国技館)

 2度の右膝手術を乗り越え、18年初場所以来16場所ぶり十両復帰した人気業師の宇良(28)=木瀬=が東龍(玉ノ井)を珍手「後ろもたれ」で退け、9勝目(5敗)を挙げ、優勝戦線に踏みとどまった。

 立ち合い、低く当たって、相手の脇の下に潜って攻め込む。瞬時に居反(いぞ)りの形に入り、相手を抱えたが、これは不発。相手に背中を向けながら、相手の左足を取ってそのまま、もたれ込み、土俵外に運んだ。

 十両では今年の春場所、英乃海が若隆景に決めているが、狙ってできる技ではない。新型コロナ感染予防のため、声援禁止のはずの館内から思わず、歓声が聞こえた。

 宇良は「声が出てるように感じる。悪いとかじゃないですよ。声が聞こえるのか、入ってくる。気のせいか分からないけど…。出てますよね」と、報道陣に逆取材した。

 5日目、旭秀鵬にさく裂させた居反りの再現はならなかったが、業師の本領のをまた発揮。「たまたまです。別に思惑通りになったわけじゃなく、結果的にこうなった」と、振り返った。

 8勝目を挙げた翌日には黒星。「勝ち越して安心できるかと思ったら3日残っている。3連敗で終わりたくなかったから別の意味で緊張した」と、安どの9勝目となった。

 十両の優勝争いはトップが10勝の翠富士(伊勢ケ浜)。宇良は1差で追い、優勝の可能性を残す。「きのう負けた時点で優勝のことは考えていない。意識せずに頑張りたい」と、千秋楽の一番に集中する。

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