国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）のトーマス・バッハ会長（６６）が１６日、都内で菅義偉首相や小池百合子東京都知事らと会談し、新型コロナウイルスの影響で来夏に延期された東京大会の開催への決意を示した。夕方には東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長（８３）とともに会見。国内外で感染の再拡大が深刻化している中、８カ月後の開催をアピールした。

　組織委の森喜朗会長はバッハ会長が開催に向けて強い姿勢を見せたことに「来日前に多くのフェイクニュースが流れたが、疑念は払拭（ふっしょく）された」と、一部ＳＮＳなどで流れた中止論を一蹴した。

　コロナ禍が続く中、来年の開催を不安視する世論やスポンサーの声もあるが、かつて学者から聞いたという「自動車」の例えを出し「車が人をはねたり、殺したりしても、生産を止めろという声は出ない。車を道具として考えれば、なくなると困るから。どう乗り越えていくかだ」と話し、「今を乗り越えた先に五輪をやるんだとなれば、皆の気持ちも高揚する。共感をいただけるように努力していく」と語った。

　この日は、ともに開催に向け尽力してきた安倍晋三前首相へのＩＯＣによる「五輪功労章」授与式にも参加。リオ五輪閉会式で登場した“安倍マリオ”について触れ「ゲームの世界では、マリオにはヨッシーという頼れる仲間がいる。私の名前は喜朗で、ヨッシーであります。これからも安倍マリオと森ヨッシーで助け合いながら、大会成功へ力を尽くしていく」と誓った。