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正代、癖を直さず貫いた信念 筋肉へ科学的アプローチ“理系大関”誕生

 「大相撲秋場所・千秋楽」(27日、両国国技館)

 関脇正代が翔猿を逆転の突き落としで退け、13勝2敗で初優勝を果たし、大関昇進を決めた。故郷熊本に悲願の初賜杯をもたらして男泣き。名門・時津風部屋では1963年名古屋場所の大関北葉山以来、57年ぶり優勝となった。

 正代は東農大卒業後、熊本に戻り母校熊本農業高の教師を目指していた。教育実習で10キロもやせ「向いていない」と角界入りを選んだのは正代らしさ。当時、書き上げた40ページもの卒論がおもしろい。

 テーマは『大学相撲選手における基礎代謝』。レギュラーと補欠で比較し筋肉量をもとに研究。“実験台”になったのが大学の2年後輩で弟弟子の豊山だった。「一番筋肉量が多かったのが豊山。機械を付けて朝起きた時、体を動かさずに目だけ開けて計る。筋肉量が多いと酸素摂取量が増える。寝てるだけでも消費する。豊山に関しては途中で寝ました」と笑うが、筋肉への科学的アプローチでの研究は今につながる。

 今場所、周囲から立ち合いの馬力を絶賛されるが、弓なりに体をそらせて胸から当たるのは本来、褒められたものではない。ただ、正代は「癖もある」と直さず、「圧力は筋力アップしたら強くなる」と信念を貫いた。

 力を吸収すると表現される、天性の柔らかい体を筋肉の鎧(よろい)で強化。正代にしかできない立ち合いを武器に“理系大関”は誕生した。(デイリースポーツ・大相撲キャップ・荒木 司)

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