カヌー五輪代表候補・多田羅英花が真価証明V「勝ち切れて良かった」

 「カヌー・スプリント日本選手権」(12日、小松市木場潟カヌー競技場)

 各種目の500メートル決勝が行われ、女子カヤックシングルは東京五輪代表候補の多田羅英花(28)=愛媛県競技力向上対策本部=が1分58秒693で優勝した。男子カヤックフォアは、東京五輪代表の松下桃太郎、藤嶋大規(ともに自衛隊)、宮田悠佑(和歌山県教育センター学びの丘)、水本圭治(チョープロ)が1組のみのタイムトライアルで1分23秒881を記録した。

 多田羅はスタートから前に出ると、勝負に徹してライバルを振り切った。向かい風で前日からはタイムを落としたものの、五輪代表候補としての真価を証明。久々の実戦で求めた結果を出し、「勝ち切れたので課題を一つクリアできた」と胸をなで下ろした。

 3月の選考会で1位となり、五輪切符が懸かるアジア予選の出場権を獲得。新型コロナウイルスの影響で予選が延期となった後も、日本連盟は代表権を維持した。周囲からは「多田羅でいいのか?」という声も聞こえてきたが、結果でしっかり回答。「多田羅でいいと思ってもらいたかった」とうなずいた。

 今後は長期的に合宿を行い、21年3月のアジア予選に全てを懸ける。「イメージ通りの動きはできた。あとはレース感覚を磨きたい」と出撃体勢を整えた。

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