阿炎を再教育へ 錣山親方は責任痛感「自分が全部悪い」 引退届は協会預かりに

 日本相撲協会は6日、東京・両国国技館で理事会を開き、コロナ禍の中、7月場所前後に接待を伴う「夜の店」に複数回通っていた幕内阿炎(26)=錣山=の懲戒処分に関し検討し、出場停止3場所および5カ月50パーセントの報酬減額と決まった。師匠の錣山親方(元関脇・寺尾)は、処分の決定後、電話取材に応じ、「寛大な処置を受けられました。感謝、ありがたいと思いました」と思いを語ると同時に、「気づかなかった自分が全部悪い」と自身を責めた。

 問題が発覚した7月場所7日目(7月25日)から師匠の錣山親方の判断で強制休場となり、8月1日に協会に引退届を提出していた。引退届は今後、協会預かりとなる。今後、程度を問わず協会に迷惑をかける行為をした場合には預かっている引退届を受理すること、そのことを了承する旨の誓約書を提出すること、住居を錣山部屋に移し師匠の直接的な監督下に入ること、の3点を条件として引退届を未受理とした。

 錣山親方は「自分の前では猫みたいになっている。『すいません、すいません』と何回も言っている。本人が奮い立つしかない。さんざんお世話になった方もいるし、協会が寛大な措置をしてくれたわけだから。お客さんにも感謝しないと。それをもう1回、よく考え直してほしい。(阿炎は)悪い人間ではないけどお子様で明るいだけではめを外してしまう。気付かなかった自分が全部悪い」と、自身も含めて反省した。

 協会は場所前に感染予防のためのガイドラインを作成し、7月場所を開催。阿炎は「不要不急の外出禁止」に違反した。協会のコンプライアンス委員会(青沼隆之委員長=元名古屋高検検事)の調査によれば、「3密」状態の飲食店に行った回数に関して虚偽の証言、さらにともに遊興した幕下極芯道(錦戸)には嘘に沿って口裏を合わせさせた。

 阿炎は昨年11月、自身のインスタグラムに不適切な投稿。今年2月、研修会では「寝ていた」と発言し厳重注意を受けた。6月末には3歳下の一般女性と結婚し、一家の大黒柱として決意を新たにしていたが、問題行動を繰り返した。すでに部屋を出て、都内で新妻と生活していた。

 師匠の錣山親方には6カ月20%の報酬減額の処分。阿炎と同席していた極芯道は2場所出場停止、師匠の錦戸親方(元関脇水戸泉)はけん責となった。また、場所前に飲食店で“泥酔”写真がネットで広まった田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)もけん責処分が下った。

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