再入幕の照ノ富士「5回は『辞めさせてください』と伝えた」NHK特番で語る

 元大関で再入幕を果たした照ノ富士(28)=伊勢ケ浜=が5月31日、NHK「大相撲特別場所~テレビ桟敷へようこそ~」にリモート出演した。

 大関を14場所務め、優勝もしながら、両膝のケガに加え、内臓の病気も重なり、序二段まで番付降下。地道に肉体を回復させ、約2年半ぶりに幕内に帰ってきた。元大関が序二段まで落ち、再入幕はもちろん初めてだ。

 「長かったかなと思う。糖尿病、C型肝炎、腎臓疾患と3つともなってどうやっても力が出なかった。筋肉が落ちていくばかりだった。徐々に治して頑張った」と振り返った。

 大関の看板を背負った男が、現役続行してよいのかを悩む日々だった。「正直、大関から落ちて、速攻、親方(師匠の伊勢ケ浜親方=元横綱旭富士)に『辞めたい』と伝えた。そこから5回は『辞めさせてください』と伝えた。親方は『病気を治してからじゃないと話にならない。やるにしろ辞めるにしろ病気を治してから』と」。師匠に慰留され、踏みとどまった。

 プライドとの戦いだった。「横綱に近いと言われていたしプライドがあった。プライドが捨てられるか心配だった。もう1回どんな気持ちで戻るのか。付け人もおらず全部、自分でやらないといけない」。そんな時、知人から「自分で思った以上に周りの人は気にしていない。頑張っているとしか見ない」と言われ、迷いはなくなった。

 膝の状態はまだ「3割くらい」と言う。その体で幕内復帰するのだから、モンゴルの怪物と言われた剛力はやはり半端ではない。下半身の力を取り戻せば、まだまだ番付アップは望める。自宅にトレーニング用のバイクを購入し、時間を見付けてはこいで下半身を鍛えている。

 まだ28歳。これからの思いが強い。「幕内に上がった以上、落ちるわけにはいかない。年を取っているわけじゃない。若手の1人というのは自分の中である。上位で暴れてみたい」と力を込めた。

 同放送は夏場所が中止となり、無観客開催を目指す7月場所(7月19日初日、両国国技館)へ向けた特番。本来の夏場所初日、中日、千秋楽(6月7日)に合わせ3回放送。第2回のこの日は「しのぎを削ったライバルたち」と題して、元横綱栃錦、初代若乃花の「栃若時代」、柏戸、大鵬の「柏鵬時代」などを振り返った。

 また7月場所へ向けて調整する現役力士が、3週連続でリモート出演をする。第3回の来週は横綱白鵬、炎鵬が登場予定。

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