柔道66キロ級代表選考会、無観客から一転中止も…首都封鎖なら「無理」

 柔道で唯一、東京五輪代表が決まっていない男子66キロ級の最終選考会となる全日本選抜体重別選手権(4月4、5日・福岡)が無観客開催から一転、中止となる可能性が26日、浮上した。全日本柔道連盟(全柔連)の中里壮也専務理事が明らかにしたもので、早ければ27日にも結論を出す。

 新型コロナウイルス感染拡大で今月6日には無観客での開催が決まっていたものの、国内での感染者がさらに急増している状況を受け、あらためて開催可否の判断が急務となっている。遅くとも31日のコロナ対策委員会で結論を出すが、出場選手の多くが拠点を置く東京が首都封鎖となる可能性も出てきており、同専務理事は「(そうなった場合)無理。誰も(開催地の福岡に)行けない」との見通しを示した。

 同大会は、五輪代表を僅差で争っている19年世界王者の丸山城志郎(ミキハウス)と17、18年世界王者の阿部一二三(日体大)の最終決戦となるだけに注目を集めている。コロナ禍で五輪開催が1年程度延期されることが決まったものの、理事会で代表選考規定を変更する時間がないため、“予定通り選考会として開催”か“大会自体の中止”かの2択に絞られた。

 ただ、問題は同大会の開催可否だけでは終わらない。五輪の延期に伴い、既に決まっている13階級も含めた五輪代表が再選考になる可能性も浮上しており、仮に今回66キロ級の代表が決まっても、4月以降の理事会で“白紙”となる可能性がある。

 この日、男女代表監督ら強化トップが都内で約5時間にわたり会議を開いたものの、結論は持ち越しとなった。金野潤強化委員長は「今日のところは何も話せることはない。ただ、決まり次第、できるだけ早く皆さんに報告する」と説明した。

 一方、中ぶらりん状態となっている代表内定選手からは一部、不安の声も挙がっている。男子60キロ級代表の高藤直寿(パーク24)は前日、ツイッターで「代表選考がやり直しになったらさすがに無理。一度決まった選手と決められなかった選手が(再度)試合するのはメンタル面でアンフェア」と主張。また、同100キロ級代表のウルフ・アロン(了徳寺大職)はこの日、都内で取材に応じ「仮に再選考になっても勝ち抜ける自信はある。動揺することはない」と前置きした上で、現状で方針を示されていない状況に「ちょっと判断が遅い感じがする」と率直な胸の内を明かした。

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