森喜朗会長 幼少期の戦争体験から、難局乗り切る思い訴える

 東京2020組織委員会は26日、東京五輪・パラリンピックが1年程度延期されることに伴い、大会開催に向けて必要な諸対応の検討を行うための「東京2020 大会実施再スタート本部(仮称)」を組織委員会内に発足した。東京都中央区の東京2020組織委員会で森喜朗会長(82)、武藤敏郎事務総長(76)らが出席し、第1回会議を開催した。

 冒頭、森会長が幹部や各部門の局長ら30人の出席者を前にあいさつに立った。

 その中で、自らの幼少期の体験を口にし「私は小学校1年生のときは、日中戦争からくる太平洋戦争の最中でありました」と戦時中の体験を語った。

 「そういう経験のある方はこの中にはいらっしゃらないと思いますが、小学校2年生が終戦でありましたから、幼児の頃、1年生のころ、学徒動員で神宮球場で野球をするんだ、ラグビーをやるんだ、という人たちが戦争に取られたという体験をわたくしは子どもながらに見ております」

 (続けて)「私の父は昭和12年、私が生まれる前に出征しました。私は自分の郷里の下駄箱の上に、父は生きて帰ると思っていないから、『息子にこれだけは渡しておけ』と言ったのが、野球の皮のグローブと、ラグビーのボール、この2つを下駄箱の上に置いていったそうです。おそらく父は将来、そのスポーツを私にやらせようと思ったのだろうと母から聞きました。それから考えますと、今のアスリートの諸君も、この苦難を乗り切って、甘えはいかんと思います」

 (続けて)「一緒になって乗り切って、この過酷な中でアスリートの諸君がこれを乗り切ることによって、世界から多くの評価を得る体験ができるのだろうと思っています。私たちもまさにそういう気持ちでこの難局に当たっていきたい。この思いをあえて申し上げた次第です。アスリートにしても、東京2020にしても、世界のみんなが注目していることをもう一度肝に銘じて努力いただきたい」と訴えた。

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