朝乃山、崖っぷち3敗目…残り2日1敗もできず 21日鶴竜戦「自分の相撲を」

 「大相撲春場所・13日目」(20日、エディオンアリーナ大阪)

 横綱白鵬が大関とりに挑む関脇朝乃山の大きな壁になった。前日の完敗から一転、右差し一気の押し出しで2敗対決を制し11勝目を挙げた。平幕碧山が隆の勝に敗れ2敗に後退。V争いトップは3人が並び、14日目は白鵬と碧山の2敗同士の直接対決が組まれた。大関貴景勝を寄り切り2敗を守った横綱鶴竜は朝乃山の挑戦を受ける。朝乃山は大関昇進へ残り2日、必勝出陣だ。1差3敗の朝乃山、平幕御嶽海、隆の勝までが優勝の可能性を残す。

 後がなくなった。大関とりの朝乃山は白鵬に屈し、3敗に後退。昇進目安となる「三役3場所で計33勝」に達するには残り2日で1敗もできなくなった。

 前日とは一変した、張り手もかち上げも封印した白鵬の厳しい立ち合いに、なすすべなく電車道で土俵を割った。過去2戦2敗の横綱に押し出され、賜杯争いも後れを取った。

 「張られてもいいから前に出ようと思っていたが、集中力、厳しさが足りなかった。自分の相撲が取れなかった。まだまだ弱い自分がいる」。口を突くのは反省の言葉ばかりだが、その表情はどこかさばさばした印象もあった。「悔しさはあるが…分からない」。あまりの完敗に、切り替えはかえって容易となるのかもしれない。

 14日目は鶴竜とぶつかる。横綱を撃破すれば仮に11勝で終わっても大関昇進の可能性を残す。「先のことは考えず一日一番、自分の相撲を取り切りたい」。負けられない大一番に全てを懸ける。

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