クライミング・伊藤ふたばが2冠達成 “パワー不足”解消で抜群の安定感見せた

 「スポーツクライミング、スピード・ジャパンカップ」(22日、昭島市)

 高さ15メートルの壁を登る速さを競うスピードの国内大会が行われ、女子では伊藤ふたば(17)=TEAM au=が初優勝を飾り、ボルダリング・ジャパンカップに続く国内2冠を達成した。連覇を狙った野中生萌(22)=XFLAG=は3位、五輪代表の野口啓代(30)=TEAM au=は4位だった。男子は土肥圭太(19)=鹿児島県連盟=が初優勝。五輪代表の楢崎智亜(23)=TEAM au=は2位だった。

 抜群の安定感が光った。関東地方を春一番が襲ったこの日、強風に多くの選手が苦しむ中、伊藤は予選で唯一8秒台をマークし1位通過すると、決勝トーナメントでも盤石のレース運びを見せ、ファイナルでは再び8秒台をマークして、女王の座をつかみ取った。

 「かなり風は強かったけど、そこまで気にはならなかった。(2冠は)自信になる」

 オフには1日9時間、壁と向き合い、課題だった「パワー不足」を解消。3年ぶりの優勝だったボルダリングに続き、国内2冠を達成し、その成長ぶりを見せつけた。

 五輪代表選考の解釈を巡り、現在、日本協会と国際連盟が係争中。伊藤にもチャンスがあるかどうか結論が出るのは4月以降と、落ち着かない状況が続くが、17歳の進化は夢舞台での期待を抱かせるものになりつつある。

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