張本まさかの優勝ならず “高校生対決”で不覚「自信が一気になくなった」

 優勝カップを手渡される宇田幸矢(中央)の横で、ぼう然と一点を見つめる張本智和(左)
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 「卓球・全日本選手権」(19日、丸善インテックアリーナ大阪)

 男女ともに東京五輪代表が優勝を逃すという波乱の大会となった。シングルス決勝が行われ、男子は張本智和(16)=木下グループ=が宇田幸矢(18)=エリートアカデミー=に3-4で敗れ、2年ぶりの優勝はならなかった。

 青写真とは違う結末に、張本はぼう然と立ち尽くした。中学時代まで同部屋だった先輩の宇田の猛攻に屈し、2年ぶりの王座奪還がするりとこぼれ落ちた。「ここまで戦った自信が一気になくなった。また一からやるしかない」。表彰式で他の選手が談笑する脇で、一人自責の念に駆られながら頭を抱えた。

 男子の五輪代表では唯一最終日まで残り、本命の重責を担った。4強まで1ゲームも落とさず勝ち上がったものの、同じ高校生の挑戦を受けた準決勝、決勝では先手を取られ続けた。「相手の方が年上だったのに自分から攻められなかった」。最も年下が最も格上。16歳のエースだけが抱える“ねじれ”の中で本来の爆発力が鳴りを潜めた。

 五輪代表が確定した後も決して慢心はなかった。19年12月、1年間の五輪代表レースを終えた直後も休む間もなく練習を再開し、ジャパントップ12に出場。代表選考に関係がなく、負けても文句は言われない賞金大会だったが、「少しでも(負けていいという)気持ちがあるなら出ない方がいい」と本気で準備し、しっかり優勝してみせた。

 五輪イヤーの全日本選手権も死力を尽くした。決勝こそ敗れはしたものの、1-3と後がなくなった第5ゲームで8-10とマッチポイントを握られてから盛り返し、大接戦に持ち込んだ。「いい巻き返しはできたが、最後は取り切れなかったので自信にはつながらない」。そう言って首を振ったが、この厳しさが半年後の極限の大舞台で成就するはずだ。

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