ラグビー稲垣啓太 笑わないはずが…故郷で一瞬ニヤリ「気持ちを伝えたかった」

 新潟工・樋口監督(右)にビールをつぐ際に柔らかい表情を見せる稲垣啓太
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 ラグビー日本代表プロップ稲垣啓太(29)=パナソニック=が20日、故郷の新潟市を訪問。9時から幼稚園、小学校、中学校、高校の全ての母校、秋葉区役所、新潟県庁、さらに表彰式にも出席。計10カ所を回りW杯8強の報告などをした。

 流行語大賞にノミネートされた“笑わない男”。新潟工では生徒から「啓太選手の笑った顔が好きなので、笑ってほしいと思っています」と言われて「無理です」ときっぱり。その後の会見で、「母校を全て回っての笑顔指数は?」と聞かれると、「100くらい、いっています」と真顔で答えた。

 “笑わない男”には笑わない理由があった。

 「試合中や練習中にヘラヘラしたり白い歯を見せるのが好きじゃない。個人としての美学みたいなものもある。あんまり自分の弱いところは見せたくない。試合中に緩んでいたら、まだまだだなと思うことがある。戦いの場。そういう表情を見せるのは僕的には違うかなと思う」

 笑わないのは稲垣流の男の美学だった。

 「新潟のいろんな人から応援していただいた。短い時間でも感謝の気持ちを伝えたかった」と明かした。

 それでもこの日は、新津第二中学では生徒との腕相撲で圧勝して一瞬ニヤリ。県スポーツ協会表彰式後のパーティーでは乾杯の際にめったにない笑顔も。つかの間の故郷の温かさに、少しだけ表情を崩していた。

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