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青学大・原晋監督 箱根駅伝「全国化」でふるさと創生

 東京五輪に向けた新企画「スポトピ2020」に3日連続で登場する、青学大陸上部長距離ブロックの原晋監督(52)の2回目。昨年の東京箱根間往復大学駅伝競走では、史上6校目の4連覇に導いた。正月の風物詩として定着している一大イベントについての考え方、そして今後のあり方などについて語った。

  ◇  ◇

 -学生陸上界に取り入れたいことは。

 「箱根駅伝の全国化ですよ。これはやらないと。日本陸上界のことを本当に思うんだったらやるべき」

 -どのような効果が生まれるか。

 「地方の大学においても強化しようとなれば、そこには監督、コーチが存在するわけですから、いわゆる雇用が存在します。大学の陸上部だけではなく、関係する地域にスポーツ団体が必ず生まれると思うんです。ランニング教室的なもの。そこにも雇用が生まれてきますよね。魅力あるコンテンツにしていかないと野球界やサッカー界、あるいはTリーグやバスケットボール界に、優秀な選手をみんな取られます。全国化することで地方の大学を強化する。周りにはクラブチームができる。結果的に陸上スクールに入り込む人が増えて、陸上界の裾野が広がる。競技人口が増えます」

 -その他の効果は。

 「最大のメリットはふるさと創生です。関東にきている箱根駅伝選手の約7割は地方出身者なんです。では関東に一度来たら地方に帰るか、というとなかなか帰らないですよ。ますます関東一極集中になってくる。ふるさとは疲弊してくるわけですよ。わが村からもわが大学から箱根駅伝に出られるとなると、若い子が地元に残って地元に就職するような構図ができるはずです。そういう文化を作らないと、偏りが出る社会になってしまう」

 -あとの効果は。

 「スポーツビジネス的な発想で言ったら、箱根駅伝の視聴率は今30%ぐらいですけど、関西圏は15%ぐらい。でも関西の大学から出られるとなると、関西圏でも視聴率は上がります。そうなるとマスコミ関係等も潤う。そうなるとデイリースポーツさんも、もうかりますもん。関西でも新聞が売れますもん」

 -今年の箱根駅伝は2位。意気込みは並々ならぬものがあると思うが。

 「今日の箱根駅伝はアマチュアスポーツの中で、競争が一番激しい種目になっていると思うんですよ。これほど大学を挙げて、人、物、金、情報を集中的に投下している種目はないでしょう。みんな頑張っています。その中で勝ち上がるのは厳しいものがあります。当然一番は狙っていますけど、常日頃学生に言っているのは、『勝った負けたではなく、そのプロセスをいかに一生懸命考えて行動してやっていくか、ってこと。やってきたことへのご褒美として、順番がつくだけの話だよ』という単純な話をしています」

 -4連覇で途切れ、気持ちが折れそうにはならなかったか。

 「しましたよ、そりゃ…。でも、しょうがない。いつかは負けるんだから。逆に10連勝も20連勝もしたら、『おまえら何をやっているんだ!!』という話になります。毎年、人が変わりますから」

 -普段、学生に言い聞かせていることは。

 「デュアルキャリアという言葉が定着しつつあります。今までの考え方はセカンドキャリア。でもアスリートが引退して社会とどう向き合っていくかって、遅いわけですよ。当該スポーツを通して、社会に有益な人材を送り出すためにどうするか、というような視点で指導しています。ではキーワードは何か。社会が何を求めているかというと、今一番はコミュニケーション能力でしょうね」

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