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川内、遭難で悟り…ハーフマラソン圧勝

 ハーフマラソンで走った東京湾アクアラインを指さしガッツポーズを決める川内優輝(撮影・開出 牧)
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 「ちばアクアラインマラソン2014」(19日、千葉)

 仁川アジア大会男子マラソンで銅メダルに終わり、日本代表争いから一時撤退した川内優輝(27)=埼玉県庁=がレース後、アジア大会直前に東京都奥多摩・埼玉県秩父での練習中に遭難しかけたことを告白した。この日はハーフマラソンに出場し、1時間4分22秒で2位に5分以上の大差をつけて圧勝した。

 悲壮感すら漂わせて走っていた男は、変わっていた。笑みとともに駆け抜けた川内は「本当に楽しく、ニヤニヤしながら走った。久々にすがすがしい」と汗をぬぐった。

 吹っ切れたような笑顔の理由は衝撃的だった。日本代表の重圧に押しつぶされ、「死ぬんじゃないか?」と、追い詰められていたアジア大会直前の練習。山道に迷い、遭難の危機に陥った。

 「7~8時間さまよった。水も食料もなくなって、崖に落ちそうになったり、熊に襲われる恐怖もあった」。最後は木に打ち付けられていたピンクのリボンを頼りに、何とか林道へと出た。「そこで悟ったんです。こうやって、まともに整備された道を走れるのは、何て幸せなんだと…」。“日の丸”の重圧からも解き放たれた男は今、心から走ることを楽しんでいる。

 アジア大会後には、職場に『アホ公務員。2度と走るな!!』という内容の、心ない手紙も届いたという。これまでは真摯(しんし)に受け止めていたが、今は「代表も外れたし、そんなことを言われる筋合いもない。ほかの代表に言ってくれ」と、受け流す余裕もできた。

 今後は日本や世界中のマラソンを転戦しながら、2時間6~7分で走る力を養う。「走れるってことがすてきなんです」。一市民ランナーに戻った27歳は、さわやかに笑った。

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