酷暑ドーハ世界陸上の明と暗…東京五輪の課題に 完全空調のドーハ、新国立は送風機

 「陸上・世界選手権」(7日、ドーハ)

 10日間の大会日程を終え、閉幕した。中東で初開催となった世界陸上だが、暑い時期が長引いた影響もあり、競歩、マラソンのロード種目では気温30度、湿度80パーセントを超える過酷な条件に棄権者が続出。海外メディアから「選手をモルモットにしている」など批判を浴びた。一方で屋外スタジアムにも関わらず空調のきいたハリファ国際競技場は気温25度前後に調整され、空席が目立つという問題はあったものの選手たちにも好評。男子走り幅跳びで8位入賞した橋岡優輝(日大)は「空調の風は気にならなかった。ちょっと暖かいぐらいの環境で戦えた」。トラック、フィールド種目とも上々の好記録も生まれた。

 ドーハで浮き彫りになった明と暗は、そのまま来夏に東京で迎える五輪への運営面での課題となる。競歩、マラソンは午前5~6時スタートとなっているが、例年の東京の暑さを考えれば、早い段階で30度を超える気温になる可能性は高い。今回、50キロ競歩で金メダルを獲得した鈴木雄介(富士通)は、競歩コースがほぼ日なたとなることを指摘し、「できるならコースを再考してほしい。日なたで50キロ歩くのは相当厳しい」と、猛暑への警鐘をならしている。残り約300日の中でどれだけリスクを減らしていけるか。

 大会のメーンスタジアムとなる新国立競技場はスタジアム全体を冷やすための冷房はなく、185基の送風機などで暑さを柔らげる対策をとっている。ただ、完成は11月で今夏にシミュレーションできなかっただけに不透明な部分は残る。

 国際オリンピック委員会(IOC)はドーハで暑さへの対応が問題となったことを受け、さらに暑熱への対策を東京側に求めていく構え。ドーハの教訓を生かせるかが、東京五輪成功への1つの鍵となる。

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