日本新で銅のリレー侍 課題のバトン 信頼結んだ桐生のサニブラへの言葉

 3位となり、日の丸を掲げる(左から)多田、白石、桐生、サニブラウン
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 「陸上・世界選手権」(5日、ドーハ)

 男子400メートルリレー決勝が行われ、1走・多田修平(23)=住友電工=、2走・白石黄良々(23)=セレスポ=、3走・桐生祥秀(23)=日本生命=、4走・サニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=で臨んだ日本は37秒43の日本、アジア新記録で3位に入り、2大会連続となる銅メダルを獲得した。日本記録保持者のサニブラウンが待望の“リレー侍”デビューとなった大会で、銀メダルを獲得した16年リオ五輪の37秒60を上回り、来年の東京五輪へ弾みをつけた。米国が今季世界最高の37秒10で優勝。前回王者の英国が37秒36で2位だった。

 今大会、日本にとって最大の焦点は3走の桐生からアンカー・サニブラウンへのバトンだった。サニブラウンはこれまで15年北京大会、17年ロンドン大会と代表入りしていたが、個人種目での消耗もあり、リレーを走る機会がなかった。巡ってきた待望のチャンスの中で、日本のスピードスター2人のスムーズな連係は、金メダルを狙う来年の東京五輪に向けて、1つの宿題だった。

 今季自己ベストタイの37秒78をマークした予選では、安全性を重視したこともあったが、やや詰まった形となった。桐生が振り返る。「予選はハキームもリレーをやっていない分、信頼がなかったのかわからないけど、ちょっと(スタートを)軽く出た部分があったと思う」。勝負の決勝を前に、思いを伝えた。「それは止めてくれ。思い切り出ても絶対に渡すから」-。

 決勝では流れるようなバトンでメダル争いに食らいついた。桐生は「信頼して出てくれたと思う」とうなずいた。サニブラウンも「本当に桐生さんを信じてバンっていう形で出れた。いい形でもらえたと思う」と納得の表情を浮かべた。“侍デビュー”を終え、「日本の良さはやっぱりバトンにおける信頼。一番だと思う。みんなバトンをしっかり渡してくれると信じて走れる強みがある。仲の良さもあるけど、なんか謎の信頼感がある」と笑顔で振り返った。

 100メートル金メダリストのコールマン、同銀メダルのガトリンに200メートル覇者のライルズという超豪華メンバーをそろえた米国、前回覇者の英国の速さは際だった。食らいついていくためには、2人を含めた走力の向上が必要になる。サニブラウンが「バトンは一番うまい。あとは走力をもう1、2段階上げないと金メダルは全然見えてこない」と話せば、桐生も「日本はまだバトンがうまいから(上位に)いってる。全員が9秒台、19秒台で走れるようになって、個々の走力プラスバトンで勝負したい」。今大会で結んだ信頼を土台にし、ここからは個々の研さんで頂点への可能性を探っていく。

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