大坂なおみ5年ぶりナニワ星 凱旋飾った意地の逆転ストレート発進
「女子テニス・東レ・パンパシフィック・オープン」(18日、ITC靱TC)
シングルス2回戦が行われ、大会初優勝を狙う世界ランク4位の大坂なおみ(21)=日清食品=が初戦を迎え、予選勝者で同181位のビクトリア・トモバ(ブルガリア)を7-5、6-3のストレートで下し、20日の準々決勝進出を決めた。大阪出身の大坂にとって、地元での勝利は2014年10月のジャパン女子オープン1回戦(瀬間詠里花戦)以来5年ぶり。グランドスラム覇者として、凱旋ナニワ星を飾った。ダブルス1回戦では土居美咲(ミキハウス)日比野菜緒(ブラス)組が準々決勝に進んだ。
“大坂が大阪で…”。そんなダジャレのような期待が、実はちょっぴり重かった。格下相手に苦しみながらも、なんとか勝ちきった。最後は強烈なフォアハンドを決めて、白星発進を決めた大坂は「勝ちたいという強い気持ちがあって、ナーバスになった」と苦笑い。3歳まで過ごした生まれ故郷の大阪で5年ぶりに勝利し「たこ焼きを食べたけど、おいしかった。でもお好み焼きはまだ。たぶん、大会の後ね」と、地元ネタを織り交ぜたコメントで、ファンを喜ばせた。
もどかしい展開だった。試合開始から好ショットとミスの波が激しく、ペースをつかみきれない。第1、第2セットともいきなりトモバにブレークを許し後手に回った。男子並みの最速192キロのサーブで2本連続ノータッチエースをさく裂させ爆発力もみせたかと思えば、ダブルフォールトも連発。ともに意地で逆転し、終わってみればストレート勝ちだったが、大坂らしいといえばらしい荒々しい初戦となった。
大会直前に、2度目の4大大会制覇を成し遂げた全豪オープン後の2月から指導を受けていたジェンキンスコーチを電撃解任した。全豪後に解任したバインコーチに続き、7カ月で2度目のコーチ交代劇。「原点に戻る」という意味を込めて、今大会は父のフランソワさんが代理コーチを務めている。ツアー優勝から遠ざかる中で、心機一転を図った。
今季終盤に向け、故郷から再び流れをつかみたい。「やっぱりオオサカがオオサカで勝たないとね」と、笑った大坂。大阪で生まれた女やさかい、大阪では負けられへん-。