【瀧本誠の真っ向勝負】大野の強さはダントツ すでに来年を見据えている

 「柔道・世界選手権」(27日、日本武道館)

 男子73キロ級は、リオデジャネイロ五輪金メダルの大野将平(27)=旭化成=が15年大会以来4年ぶり3度目の優勝を果たした。決勝では、リオ五輪銀メダルのルスタム・オルジョフ(アゼルバイジャン)を内股で破り、6試合オール一本勝ち。五輪切符を大きく近づけ、2連覇に向けてまた一歩前進した。女子57キロ級の芳田司(23)=コマツ=は決勝で、長野県出身の出口クリスタ(23)=カナダ=に延長の末に敗れ2連覇を逃した。

  ◇  ◇

 大野選手の試合は最初から安心してみていました。相手になる外国人選手が見当たらないほど、強さはダントツでした。

 彼には、どんな相手に対しても持てる、という強みがあります。いったん持ったら、どんな体勢になっても技にいけます。背はそれほど高くないものの、どんな相手に対しても内股で跳ね上げることができるのです。圧力もあり、技の一つ一つも強力なので、はじき飛ばしてしまう感じになるのです。

 何とか持たれないようにする相手の隙を見て、攻めて、つかまえてしまいます。隙らしい隙もありません。戦いぶりを見て、彼はすでに来年を見据えていると感じました。

 芳田選手はもったいなかったですね。自分のペースできていたし、負ける感じはしなかったのですが…。ただ、全体的に調子はさほどいいという印象は受けず、元々の力があることもあり、あそこまでいけたのではないでしょうか。(00年シドニー五輪男子81キロ級金メダリスト、駒澤大総合教育研究部 スポーツ・健康科学部門准教授)

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