坂本花織2位 「次は100%」の“マトリックスよけ”

げんさんサマーカップで優勝した横井ゆは菜(中央)、2位の坂本花織(右)、3位の白岩優奈は大会スポンサーのマスコット「げんちゃん」とポーズ
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 「フィギュアスケート・げんさんサマーカップ」(12日、滋賀県立アイスアリーナ)

 女子フリーはショートプログラム(SP)6位の全日本女王、坂本花織(19)=がフリー128・91点、合計187・53点で総合2位に終わった。SP2位の全日本ジュニア女王で今季シニアデビューした横井ゆは菜(19)=中京大=が、フリー131・29点、合計198・30点で優勝した。

 演技後の坂本は、なかなか息が整わなかった。「最後まで力強く滑れず悔いが残る」という言葉が、今季の新フリー「マトリックス」の難しい構成を物語る。息つく間もないステップやスピンがジャンプを苦しめ、3回転ルッツが2回転、終盤の3連続も2連続になった。坂本は「まだ体力が足りない」と唇をかんだ。

 しかし、これは個性的な振り付けで知られるブノワ・リショー氏が、坂本の潜在能力を信じたからこその構成だ。プログラムの中盤、映画で有名な背中をそらす“マトリックスよけ”のポーズも負担が大きく、本来の振り付けの「まだ30%」と今回はセーブした。

 リショー氏からは、自身がまるで映画のCGのように背中をそらして元の姿勢に戻る動画をお手本として送られ、「トーを使えと言われるけど、なぜあんなことができるのか」と頭の中は?だらけ。それでも、取り組んでいる体幹トレーニングとスタミナ強化で「次は100%そりたい」と勇気を振り絞る。

 今季初戦はSPで転倒し、フリーではジャンプミスもあったが、それでも2位に入ったのは全日本女王の貫禄だ。今後は来月のネペラメモリアル(スロバキア)からGPシリーズ(スケートアメリカ、フランス杯)へとシーズンは本格化。19歳は「ここからスタートしてレベルアップしたい」と前を見据えた。

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