【担当記者のポケットメモ】瀬戸大也 今もなお地元市民プールでサイン会

 「競泳・世界選手権」(28日、光州)

 競泳の400メートル個人メドレー決勝で、男子は瀬戸大也(25)=ANA=が4分8秒95で優勝、200メートルとの2冠を果たし、両種目で東京五輪代表入りを決めた。1大会2冠は日本勢では2003年大会の北島康介以来。世界選手権で通算4個目の金は北島を抜いて単独最多となった。女子は大橋悠依(23)=イトマン東進=が4分32秒33で銅メダル。400メートルメドレーリレーは午前の予選で男女とも東京五輪の出場枠を獲得。決勝では男子が4位、女子が6位だった。

  ◇  ◇

 1月、瀬戸の2019年初レースは地元埼玉の25メートルプールだった。「懐かしい。体育館が控室でめちゃくちゃ寒くて、ベンチコート着てカイロ持って、みんなで円になって待機したのを思い出す」と笑っていた。中学時代まで毎週のように通った“ホーム”。「この中で自分は強くなったんだと当時を思い出した」と感謝していた。

 幼少から彼を知る多くの関係者が「おかえり」と笑顔で迎えていたのが印象深い。市民プールの小さなスタンドはぎっしり埋まり、廊下も観客であふれた。試合後には約30分間サイン会を実施したが、はしゃぐ子供たちに先生方が「並べ~。中止にするぞ~」と声を荒らげていたのも、どこかほっこりした気持ちになった。

 子供たちは瞳を輝かせ、瀬戸自身も「パワーもらっていいスタートが切れた」と晴れやかな表情を浮かべていた。感謝の心を忘れず、多くの人から慕われる。アスリートは夢を与える存在と言うが、彼はきっとそれにふさわしいトップスイマーだと感じた瞬間だった。(デイリースポーツ・五輪担当・國島紗希)

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