友風“兄弟愛”で4連勝 兄弟子で「恋人みたい」嘉風の助言が力に

 「大相撲名古屋場所・4日目」(10日、ドルフィンズアリーナ)

 幕内友風が志摩ノ海を押し出して初日から4連勝に伸ばした。幕内3場所目、180キロ巨漢が成長一途。右膝手術で休場した兄弟子・嘉風からもらう連日の助言を発奮材料に“兄弟”2人分の活躍を誓った。両横綱は白鵬が新小結竜電を寄り切り、鶴竜が新小結阿炎を突き出し盤石の4連勝。大関陣は高安が1敗を守ったが、豪栄道は2敗、栃ノ心は初日から4連敗。全勝は両横綱、平幕友風、照強の4人となった。

 嘉風の魂が友風に乗り移っているようだ。24歳のホープが重量感ある志摩ノ海を踏み込みで圧倒し、怒とうの両のど輪攻め。5秒0の電車道で自身最多を更新する初日から4連勝とした。

 出足一気の馬力相撲。「相撲が変わったと言われれば変わったかもしれない。嘉関(嘉風)が毎日、テレビで見てくれている。嘉関の分もいい相撲を取りたい」。今場所は右膝手術で休場する兄弟子への思いが進化の原動力になっている。

 兄弟子の存在を「恋人みたい」と言う。東京でリハビリ中の兄弟子から毎日、会場への行き帰りの道中で電話がある。約20分も技術、精神面の助言をもらう。前日、松鳳山戦前には初めて連絡が来ず、「何で連絡をくれないんですか。さみしかった」とまるで“彼女”のように詰め寄ると、「忘れていた」とあっさり言われた。

 日体大の頃からOBで13歳年上の嘉風の背中だけを追ってきた。「僕のことを一番分かっているのはあの人。言う通りにしていたらここまで来た。付いて行けば間違いない」

 前日の松鳳山戦で完勝。その帰りの道中での電話で「初めてお前の押し出しを見た。100点をあげたいけど、お前はまだまだ成長するから98点。内容は100点だ」と最高の褒め言葉。友風の心は“キュン”となった。普段は絶対に“俺の分まで”などとは言わない男・嘉風が言った。「俺のもどかしい分も頑張ってくれよ」

 まだまだ星を伸ばすことが何よりの恩返しになる。「2人分、頑張りたい」と、名古屋で兄弟愛の“風”を吹かす。

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