史上初の兄弟ワンツー!弟・谷川翔が逃げ切りV!兄・航が猛追2位!

 「体操・NHK杯」(19日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)

 男子が行われ、全日本王者の谷川翔(20)=順大=が全日本選手権のリードを守り切り、合計点254・363点で初優勝を飾った。得意のあん馬で落下するミスがあったものの、その後は見事に立て直した。兄の谷川航(22)=セントラルスポーツ=が全日本5位から猛追し、0・235点差で2位に食い込み、史上初の兄弟ワンツーフィニッシュとなった。3位の萱和磨(22)=セントラルスポーツ=までが、世界選手権(10月開幕・ドイツ、シュツットガルト)の代表に決定した。

 10連覇をしていた内村航平不在の大会で、体操ニッポンの新たな象徴に仲良し兄弟が名乗りをあげた。全日本王者の弟翔を兄航が猛追し、史上初の兄弟ワンツーフィニッシュ。昨年は兄弟で残る1枠を争う形となったが、今年は2人で世界選手権代表に。航は「本当にうれしい。東京五輪も兄弟一緒に出たいので」と、喜びをかみしめた。

 翔は“トラウマ”を乗り越えての悲願達成だ。昨年は最後の鉄棒まで首位も、落下で4位転落。ほぼ手中にしていた代表切符を逃した。この日はあん馬での落下があったが、その後は立て直し、最後の鉄棒もしっかりとまとめた。試合中はカメラにピースを連発するなど「笑う門には福来たると思って」と明るく振る舞ったが、壁を乗り越え「本当に怖かった。着地が決まった瞬間は感動ものだった」と涙した。

 東京五輪前哨戦の世界選手権。水鳥寿思強化本部長も「翔は日本のエースになり得る存在。航は今一番強いオールラウンダー」と、兄弟に“屋台骨”としての期待を懸けた。

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