宇野3位 超攻撃的構成で攻めた 5回転挑戦へ意欲「練習していく」

 「フィギュアスケート・世界国別対抗戦」(12日、マリンメッセ福岡)

 2年前の前回大会を制し、2位発進した日本は、男子フリーで平昌五輪銀メダリストの宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=が189・46点で3位だった。田中刑事(23)=倉敷芸術科学大大学院=が169・79点で6位。アイスダンスのフリー、ペアのSPと合わせ、日本はチーム得点で2位とした。SPで女子の世界最高得点を更新した紀平梨花(16)=関大KFSC=は13日のフリーへ向けて調整した。

 厳しいことは分かっていた。それでも宇野は果敢に攻めた。そして攻め抜いた先に見えたのは、人類未到の地への挑戦だった。

 「(4回転)ルッツも、それ以上のジャンプも視野に入れて練習していきたい」。汗を拭いながら、照れくさそうに明かした宇野。「5回転か」の問いに「練習するっていうのはいくら公言しても、本番ではやりませんって言えばいいので。練習はしていく」と笑顔で力強く語った。

 クワッドアクセル(4回転半)は「あまり向いていないかなと正直思う」と否定し「ルール的にあるか知らないけど、トーループをちょこっと練習していこうかなと思う」。まだ誰も成功していない5回転トーループ挑戦へ意欲を示した。5回転はまだ基礎点が設定されていない、まさに異次元のジャンプだ。

 これまではケガのリスクを理由に挑戦に否定的だったが、世界選手権でチェンと羽生がハイレベルな勝負を繰り広げ、18歳のゾウも台頭。ゾウには今大会で、フリーと合計の自己ベストを上回られた。「自分も成長していかなければいけないと強く思った」。このまま黙って彼らを見ているわけにはいかない。

 今季はルール改正もあり、新ジャンプの習得は目指さず演技をまとめる道を選んだ。しかし世界選手権は4位。今大会は超攻撃的構成で戦った。冒頭の4回転フリップ-3回転トーループを着氷させると、続く4回転フリップも決めた。演技後半に組み込んだ4回転サルコーは体勢を崩し、決めれば世界初だったトリプルアクセル-4回転トーループの連続ジャンプは転倒に終わった。「練習をたくさんしないといけないとあらためて思った」と言うが、その表情はすがすがしかった。

 攻めたことで見えた、攻めの道。「僕は負けたくない。もっとうまくなりたい」と宇野は言う。まだ見ぬ地を目指して突き進む。その覚悟は決まった。

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