丸山、一二三撃破し連覇 13分死闘制して初の世界選手権切符!あるぞ逆転東京!

 「柔道・全日本選抜体重別選手権」(7日、福岡国際センター)

 13分23秒の死闘を執念で制した。今夏の世界選手権(日本武道館)代表選考会を兼ねて行われ、男子66キロ級決勝は、国際大会3連勝中の丸山城志郎(25)=ミキハウス=が延長戦で世界王者の阿部一二三(21)=日体大=を投げ切って技ありを奪い、優勢勝ちで2連覇を達成。初の世界切符をつかみ取り、逆転での東京五輪代表へのチャンスを得た。敗れた阿部も3連覇が懸かる世界選手権代表に決定。し烈な五輪代表争いは、夏の日本武道館で天王山を迎える。

 東京五輪に向けた「阿部一二三時代」を誰もが疑わなかった階級で“一二三キラー”丸山がついにその背中を捉えた。昨年11月のグランドスラム(GS)大阪決勝に続く直接対決は、延長に入っても互いに得意の内股、背負い投げをかけ合う大激戦。「意地と意地のぶつかり合いだったが、最後は気持ちの勝負と。僕の方が上だと見せたかった」と、もつれ合い看板に突っ込んでも絶対背中だけはつかない。13分を過ぎたところで、丸山は瞬時にともえ投げの体勢に入ると、必死にこらえる阿部を横に落とし死闘に終止符。拳を握って雄たけびを上げた。

 遅咲きの25歳は崖っぷちからはい上がってきた。昨夏のアジア大会で2位に終わった一方、阿部が世界選手権2連覇。天と地ほどの差がつき心が折れる状況でも「自分の柔道を磨けば勝てる」と、重量級との乱取りを増やして投げ切る力を磨いた。負けたら終わりの状況で国際大会3連勝。今大会も制して五輪の望みをつないだ。「最終目標は五輪の優勝なのでまだ過程。もっと心技体を磨きたい」と闘志をかき立てた。

 丸山を献身的にサポートするのが、約4年の交際を経て昨年10月結婚した妻クルミさん(23)だ。1人暮らし時代は外食などで時間を取られたが、今は食事をつくってくれる分「より柔道に集中できるようになりプラスになっている」と感謝。入籍後は無敗の丸山について、天理大の穴井監督は「結婚したことで覚悟ができたと思う」とうなずいた。

 ストイックな25歳だが、オフには車を飛ばして趣味の釣りに出かける。「(拠点の)奈良には海がないので大阪や兵庫、和歌山に行ったりします。舟に乗るときは九州で」。五輪金メダルという“超大物釣り”を果たすためにも、ライバルを倒して2020年東京切符を手にする。

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