“令和の女三四郎”素根輝が3連覇達成 女王・朝比奈倒し「世界切符」引き寄せた

 「柔道・全日本選抜体重別選手権」(6日、福岡国際センター)

 今夏の世界選手権(日本武道館)代表選考会を兼ねて行われ、女子78キロ超級は今春高校を卒業したばかりの18歳、素根輝=環太平洋大=が、決勝で昨年の世界女王の朝比奈沙羅(パーク24)を破り3連覇を達成した。代表争いは最重量級の最終選考会である全日本女子選手権(21日、横浜)で決着する。

 素根が初の世界切符を大きく引き寄せた。延長戦で朝比奈の払い巻き込みに対し「体が勝手に動いた」と小外刈りで勝負。世界女王の巨体を畳に転がし、「勝ち切って優勝できたのはよかった」と胸をなで下ろした。投げ技決着で対朝比奈4連勝とし、通算でも4勝3敗と勝ち越し。日本女子の増地克之監督は「ほとんどなかった2人の差がさらに縮まった」と認めた。

 “平成の三四郎”の助言も力に変えた。2月のグランドスラム(GS)パリ大会で3位に終わり代表が遠ざかったが、今春入学した環太平洋大総監督でバルセロナ五輪金メダリストの古賀稔彦氏から「『負けちゃいけない』と無駄なことを考える必要はない。ある程度(トップに)上ってきたからこそ恐怖を感じるが、惑わされてはいけない」と背中を押されたという。

 決勝前も「絶対に投げられるから」と“暗示”をかけられ、積極性を見失わずに背負い投げを狙い続けた。素根は「すごく気持ちを上げてくれる」と感謝し、自身と同じ担ぎ技を得意としたレジェンドから「プラスになることは吸収していきたい」と意欲。女子重量級のホープは“令和の女三四郎”となるべく、生命線の背負い投げに磨きを掛けていく。

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