大迫傑 プレMGCだ コース大半重複で五輪を見据えた大事な1戦
「東京マラソン」(3日、東京都庁~東京駅前)
招待選手記者会見が1日に行われ、男子は日本記録保持者の大迫傑(27)=ナイキ=らが出席した。2時間5分50秒の日本記録を叩き出した昨年10月のシカゴマラソン以来のフルマラソンとなる大迫は、大半のコースが重なる9月の東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の予行を兼ねての出場。海外の強豪もそろう中で、マラソン4戦目での初優勝も見据えた。大迫の佐久長聖高の先輩にあたる佐藤悠基(32)=日清食品=も、MGC前哨戦での日本人トップへ闘志をにじませた。
9月に控える大一番を見据えて、日本記録保持者はTOKYOを戦いの場に選んだ。歴史に名を刻んだ昨年10月のシカゴマラソンから5カ月。4度目のマラソンに東京を選んだ理由を聞かれた大迫は「9月にMGCが東京である。コースは同じではないけど、同じような独特の緊張感を味わえると。それが大きな理由の1つ」と、淡々と“予行”としての位置付けを語った。
東京マラソンはスタートが東京都庁で、ゴールが東京駅。MGCは明治神宮外苑が発着のため全てが同じではないが、東京タワーや雷門など名所を巡るコースは重なる。MGCや、その先にある東京五輪本番を見据えても、利点は多い。
日本記録保持者となって初のフルマラソン。注目が集まる中でも、あくまで泰然自若だ。何よりもレースにたどり着くまでの過程と、レース本番での勝負を大切にする男は「日々地道にやってこれた。できる限りの準備はしてこれた」と語ると、過去のマラソンとの比較などの質問は「比べてもしょうがない」と、受け流し続けた。先頭集団のペースメーカーの設定は2時間4分30秒~5分。さらなる日本記録更新も期待されるが、目標タイムは「??:??:??」と書き込んだ。ただ、優勝への意欲を問われると、「勝負と言ってるぐらいだから、優勝できればいい」と頂点に照準を定めた。
サッカー日本代表のFW大迫同様、問答無用の結果で“半端ない”を体現する男は、10年大会の藤原正和以来、そして13年に世界最高峰のワールドメジャーズマラソンに認定されてからは初となる日本人Vで、MGC前哨戦を制圧する。




