“おっさんず”騎士V競演 グローブ座で初開催!フェンシング頂上決戦

 男子エペで優勝した見延和靖
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 「フェンシング・全日本選手権」(9日、東京グローブ座)

 2020年東京五輪を前に新たなファンを開拓する試みとして、普段は演劇などを上演する東京都新宿区の東京グローブ座で各種目の決勝が行われ、男子エペはリオデジャネイロ五輪6位の見延和靖(31)=ネクサス=が、伊藤心(自衛隊)を下し3年ぶり2度目の優勝を果たした。同フルーレは藤野大樹(31)=デンソー岩手=が3年ぶり4度目の頂点に立ち、同サーブルは徳南堅太(31)=デロイトトーマツコンサルティング=が7年ぶり2度目の制覇。女子フルーレはアジア大会団体金メダルの東晟良(19)=日体大=が連覇し、同サーブルは江村美咲(中大)、同エペは山田里衣(なとり)が初優勝した。

 鉄剣がぶつかり合う金属音がリズミカルに響き渡る。比喩ではなく、ミュージカルや芝居が行われる正真正銘の「舞台」東京グローブ座で初開催されたフェンシングの頂上決戦。大型ビジョンにはルール説明や選手情報だけでなく、試合中の選手の心拍数まで映し出されるエンタメ仕様で、観戦初心者の目もくぎ付けにした。

 約700席のチケットは平均単価5000円にもかかわらず発売直後に完売したが、エース見延は、大会の顔としての重責を果たした。客席がすぐ目の前で「お客さん1人1人の表情が見えた」と独特の緊張感を振り返りつつ「五輪と通常の大会の差はお客さんの目や国民の注目度。心の面でいい経験になった」と2020年へのイメージを膨らませた。

 見延だけでなく、舞台の主役を飾ったのは31歳の“おっさんず”だった。フルーレでは法大時代の同期である藤野が、サーブルでは福井・武生商高時代の同級生である徳南が王座を奪還。肉体的には曲がり角を過ぎ、3人で「ケガが治りにくくなったよね」などと本音で鼓舞し合い、ケアの仕方などを情報共有してきた。見延は「(3人が)まだまだ勝てるんだというところを日本で見せられた」と感慨深げに笑い、藤野は「忘年会も兼ねて3人で祝勝会をしたい」と気炎を上げた。

 福田佑輔強化本部長は「最近若手が結果を残している中、ベテランが存在感を発揮し、まだまだやれるところを見せてくれた。日本の底上げにつながる」と目を細めた。若手からベテランまで役者ぞろいの活況で、東京五輪の主役争いが熱を帯びてきた。

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