浜田コーチ 広島開催NHK杯で被爆した母の話を紀平と宮原に

 「フィギュアスケート・NHK杯」(10日、広島県立総合体育館)

 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)5位の紀平梨花(16)=関大KFSC=は154・72点、合計224・31点で、男女通じて日本初となるGPデビュー戦での優勝を果たした。SP2位の宮原知子(20)=関大=がフリーで143・39点、合計219・47点で2位となり、4年連続のGPファイナル出場を決めた。

 2人を指導する浜田美栄コーチ(59)にとって、今大会が開催された広島は特別な場所だった。同コーチは試合後、「私の母は11歳で被爆し、私は被爆二世です。会ったことのない叔母は13歳でこの世を去りました」と明かした。今大会に参加し「久しぶりに(実家の)お墓参りも行くことができて感謝している」という同コーチは、SP前の2人に母から聞いた被爆後の広島の様子などを聞かせた。13歳で亡くなった叔母の名前が入った衣服は、被爆者の遺品として広島平和記念資料館にあるという。

 2人には「才能とチャンスに恵まれたのだから、それを生かして思い切ってやらないと。好きなことをやり続けられる世の中に生きられた。ベストを尽くそう」と話した。「言い訳するな」「人のせいにするな」と、常々教え子に指導する理由は「この街では(被爆後に)何もなくなって、文句を言っていくところすらなかった。助け合って頑張って今の街になった。自分たちの力でここまで立ち上がった」という思いがある。自らのルーツの話を、まな弟子2人は「私の目を見て黙って話を聞いていた。(気持ちは)届いたと思う」と振り返っていた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス