須崎、50キロ級V 新エース圧倒4戦無失点!東京五輪でもV筆頭

 レスリング世界選手権で優勝し、メダルを手に笑顔の(左から)50キロ級須崎優衣、53キロ級奥野春菜、55キロ級向田真優、59キロ級川井梨紗子
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 「レスリング・世界選手権」(25日、ブダペスト)

 女子50キロ級の須崎優衣(早大)と53キロ級の奥野春菜(至学館大)の19歳コンビが、ともに2大会連続の金メダルを獲得した。昨年の48キロ級覇者、須崎は決勝でリオデジャネイロ五輪48キロ級2位のマリア・スタドニク(アゼルバイジャン)に快勝。奥野も米国選手を破り、昨年の55キロ級に続き頂点に立った。62キロ級の川井友香子(21)=至学館大=は決勝で敗れて銀メダル。

 表彰台の真ん中に立った女子50キロ級の須崎の頬を、一筋の涙が伝った。4試合全て無失点と圧倒的な強さで、2年連続の世界一に輝いた。「優勝して、さらに強くなりたいと思った」。19歳のホープが、東京五輪の金メダル候補最右翼に躍り出た。

 決勝は圧巻だった。相手のタックルを下からすくい、後ろに回り込む。最後は自ら飛び込んで、ローリングで締めた。立って良し、寝て良しの多彩な闘いで撃破。タックルに全てを懸けた1年前からの成長を示した。

 千葉県出身で、中学時代は負け知らず。日本オリンピック委員会が有望な若手を寄宿制で育成するエリートアカデミーで才能を磨いた。指導する元世界女王の吉村祥子コーチは「必要なことを伝えると、理解して実践する。(勝ちたいという)意志が体を動かしている」と向上心に舌を巻く。

 女子最軽量級にはリオデジャネイロ五輪48キロ級覇者の登坂絵莉(東新住建)らライバルがひしめくが、この優勝で名実ともに一歩抜け出した形だ。「国内の闘いも厳しいが、勝ち抜いて東京につなげたい」と須崎。新エースとしての新たな勝負が始まった。

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