高藤連覇 日本男子最軽量級43年ぶり快挙!「五輪王者に何としてもなりたい」

 「柔道・世界選手権」(20日、バクー)

 男子60キロ級で高藤直寿(25)=パーク24=が2年連続3度目の優勝を飾った。日本男子で最軽量級の2連覇は、隔年開催だった1973年と75年の南喜陽以来43年ぶり。準決勝で高藤に敗れた永山竜樹(22)=東海大=は銅メダル。女子48キロ級の渡名喜風南(23)=パーク24=は決勝で17歳のダリア・ビロディド(ウクライナ)に一本負けし、2連覇を逃した。

 最後は、痛めた左足で刈り込んだ。事実上の頂上決戦となった準決勝、高藤は「ちょっとずつタイミングを合わせていた。GS(延長)で勝負をかけようと考えていた」。わずかに永山の体重が右足にかかった瞬間の狙い澄ました小内刈り。男子の井上康生監督は「偶然ではなく、必然で持ってきた」。高藤の技術と経験が凝縮した「技あり」だった。

 高藤が前回王者なら、永山は世界ランキング1位。実は準決勝の序盤、高藤は左膝を痛めていた。「変な音がした。違和感があった」。手負いのまま永山の背負い投げを紙一重でこらえ、一瞬のスキで勝負を決めた。

 高藤にとって永山は因縁の相手だ。リオ五輪直後の2016年12月のグランドスラム東京でまさかの一本負けを喫し、翌17年4月の選抜体重別でも敗れた。「永山選手に負けてから、どうすれば勝てるのかずっと考えた」と挫折感を味わった。

 もともとは天才肌の柔道家。「好きなものを食べていた」と自己管理には無頓着だったが、永山に連敗して以降は、苦手の野菜を口にし、塩分や脂質に気を配るなどプロ意識が強くなった。「面倒くさがってきたことをやった。減量が楽になり、気持ちに余裕ができた」と言う。

 畳の外での進化は、今大会での盤石の強さにつながった。定評のある立ち技に加えて、裏固め、送り襟絞めなど寝技でも一本勝ちを連発。ロシア選手との決勝では小内刈りで技ありを奪い悠々と逃げ切った。「決勝はもっとインパクトのある勝ち方をしないと」と反省するほど、今や60キロ級では敵無しだ。

 リオ五輪では銅メダルをとっても喜べなかった。「五輪王者に何としてもなりたい。爆発力はリオのときの方があるかもしれないけど、総合的に勝てるのは今」。円熟期を迎えた世界王者は2020年金メダルへの最短距離にいる。

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