稀勢の里 土俵には上がらず 昨年の秋巡業以来となる初日からの参加も…

 「大相撲夏巡業」(29日、大垣市総合体育館)

 大相撲の夏巡業が29日、岐阜県大垣市で始まり、左大胸筋の負傷などで8場所連続休場中の横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=が、昨年の秋巡業以来となる初日から参加。朝の稽古では四股、すり足など基本動作を入念に行ったが土俵には上がらなかった。進退をかけ臨む秋場所(9月9日初日、両国国技館)へ向けた復活ロードをスローペースでスタート。打ち出し後は何も語らず会場を後にした。

 背水の覚悟で臨む再起への一歩にしては拍子抜けだった。24日ぶり公の場に姿を見せた稀勢の里は満員御礼3200人の拍手に迎えられて稽古場に入った。基礎運動など行ったが土俵には上がらず、関取衆に胸を出すこともなかった。横綱対決となった取組では鶴竜(井筒)を得意の左四つから寄り切って勝利。ただ打ち出し後は取材に応じることなく、会場を後にした。

 年6場所制が定着した58年以降の横綱では貴乃花を超え、ワーストの8場所連続休場。名古屋場所前に屈辱の決断をした際、秋場所での進退に関し「そういう気持ちで今場所もやってきた」とキッパリ。秋場所出場、そして結果次第で引退と腹をくくった。

 先場所前、九重部屋に出稽古した際に横綱白鵬(宮城野)と三番稽古。2勝8敗と負け越したものの「目覚めた」と、心身とも勝負魂が呼び覚まされた。この日、風呂場で対面した白鵬が「またやろうか?」と声をかけると「お願いします」と稀勢の里は応じたという。今巡業で両雄ぶつかる稽古が再び実現する可能性はある。

 「感覚的には名古屋でつかんだ。もっともっと自分に厳しくしていく」。夏巡業でがんがん追い込み鍛え抜くことを予告していた稀勢の里。“スロースタート”とはなったが、8月26日まで真夏の1カ月の調整に相撲人生が懸かる。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス