体操のＮＨＫ杯（１９日女子、２０日男子）を前にした１８日、有力選手による最終調整が会場の東京体育館で行われた。男子は４月の全日本選手権の得点との合計点で競い、上位２人が世界選手権（１０月開幕・ドーハ）の代表に決定。全日本３位と出遅れた内村航平（２９）＝リンガーハット＝は逆転での代表入りへ自信を見せた。

　“絶対王者”の呪縛から解き放たれた内村は、追う立場を楽しんでいた。１位の谷川翔（順大）とは約０・８点、２位の白井健三（日体大）と０・５点差。「翔は全日本の平均が８６・２点、健三は８６点。僕が決勝で８６・５点だったので、同じような得点が取れれば、０・５点ぐらいは巻き返せる。ミスなくやれれば、代表の範囲内」と、しっかり計算。

　全日本で個人総合ではケガ以外では９年半ぶりに“人”に負けた。かつて「地獄」と評した“絶対王者”の重圧からは解放された男は「代表に入らないことには東京五輪への道は見えてこないと思ってる。そこが一番。結果として勝てばなおよし」と不敵に笑った。