伊調馨「告発状関わっていない」もパワハラは否定せず 内閣府委員会の場で解明へ

 女子レスリング五輪4連覇の伊調馨(33)=ALSOK=が1日、所属先を通じてコメントを発表し、日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57)からパワハラ行為を受けたとされる問題に関して、「告発状については一切関わっておりません」としながらも、パワハラ自体については否定しなかった。日本協会も声明文を発表し疑惑を否定。一方で、告発文を受け取った内閣府の公益認定等委員会は同日、日本協会に事実を確認する意向を示した。

 2020年東京五輪で金メダルラッシュが期待される日本レスリング界を揺るがすパワハラ疑惑が波紋を広げている。騒動の渦中にある伊調は、この問題について初めてコメントし、恩師である栄強化本部長から繰り返しパワハラを受けたという衝撃的な内容がつづられた「告発状」への関与は否定。しかし、パワハラ行為があったとされる報道は否定しなかった。

 今回言及した「告発状」とは、1月にレスリング関係者が代理人弁護士を通じ、内閣府の公益認定等委員会に提出していたもの。その文書では、栄氏が伊調のコーチを務める強化委員の男性に指導をやめるよう命じ、従わなかった男性に「言うことを聞かなければ出ていけ」などと脅したほか、伊調が練習拠点としていた警視庁に出入りできないよう圧力をかけたとしている。

 今回は詳しい説明こそ避けたが、伊調は「しかるべき機関から正式に問い合わせがあった場合は、ご説明することも検討したいと思っています」と今後の公的機関による調査や、記者会見などに応じる可能性を示唆した。

 コメントの末尾には、「私、伊調馨はレスリングに関わる者として、競技の普及発展を常に考えております」とつづった。愛するレスリング界をより良くするためにも、本人の口から詳細が語られる日が待たれる。

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