栃ノ心 平幕Vへ単独トップ 1敗死守で賜杯争いリード「自分の相撲を取る」

 「大相撲初場所・12日目」(25日、両国国技館)

 横綱鶴竜が遠藤に押し出されて連敗を喫し、関脇玉鷲を寄り切って1敗を守った幕内栃ノ心が単独トップに立った。12日目終了時点で平幕が単独トップなのは2004年夏場所の北勝力以来。平幕優勝となれば、12年夏場所の旭天鵬以来となる。新入幕の竜電は大翔丸を寄り切って8勝目を挙げ、勝ち越しを決めた。

 勝ち残りの栃ノ心は土俵下で結びの一番を見た。鶴竜が遠藤に押し出され、自身が単独トップ。座布団が乱舞する中、表情を変えず花道を引き揚げた。

 優勝争いまっただ中。玉鷲には6連勝中だったが前日、鶴竜に土を付けて乗る相手を警戒。「焦った感じ」と立ち合いが合わなかった。3度目で立つと「気が付いたら中に入っていた」と無心で得意の右を差した。1度は突き押されたがはね返して両差し。盤石の寄りで11勝目をつかんだ。

 12日目終了で賜杯争いをリードするのは初の経験。「そういうのは考えない。一つ一つ気合を入れて相撲を取るだけ。立ち合い迷っていない。迷わず前に出る」と力を込めた。

 前日、春日野部屋の元力士が弟弟子の顔を殴る傷害事件が発覚。この日、朝稽古は公開されず、部屋前には大勢の報道陣が集まった。異様な雰囲気にも「そういうのは考えたくない。自分の相撲をやる」と乱れなかった。

 故郷ジョージアに帰国中の妻子がパワーだ。ニノ夫人が昨年11月に長女アナスタシアちゃんを出産。まだ会えないまな娘は毎日、テレビ電話、写真で成長を目に焼き付けている。「もう7キロもあるんだ。何を買って送ろうかな。半年くらいの子のサイズだよ」と目尻を下げっぱなしだ。

 優勝なら欧州出身では琴欧洲、把瑠都以来3人目、春日野部屋から46年ぶり。平幕優勝は旭天鵬以来6年ぶり、平成以降では9回目になる。「考えるとドキドキして固くなる。考えないよう自分の相撲を取る」。相撲人生最大のチャンスを逃さない。

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