高校教師になった田野倉、レスリング全日本Vで生徒に「行動で示せた」

グレコローマンスタイル55キロ級で4年ぶりに優勝した田野倉
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 「レスリング・全日本選手権」(21日、駒沢体育館)

 男子グレコローマンスタイル55キロ級決勝で、今年4月から高校教員となった元全日本王者の田野倉翔太(27)=東京・自由ヶ丘学園高教)が、小川翔太(日体大)に4分55秒テクニカルフォール勝ちし、4年ぶり3度目の優勝を果たした。

 新米先生が“特別授業”で自ら教材となった。応援に訪れたレスリング部の生徒14人、同僚の教員15人の前で、田野倉が4年ぶりに全日本王者に輝いた。「夢は寝ていればいつでも見られるが、目標は達成するためにある」と生徒に指導してきた通り、目標を有言実行してみせ、「先生として行動で示せてよかった」と笑みを浮かべた。

 昨年まで59キロ級の第一線で活躍していたものの、教員になるため3月に実業団のクリナップを退社。4月からは母校の体育講師として朝6時過ぎから出勤して、レスリング部の朝練習、授業、午後の練習、雑務を夜までこなす生活を送っている。自身の練習は休日にしかできないが、かつての主戦場だった55キロ級が4年ぶりに復活したことを機に、再びマットに戻ってきた。

 かつて高校時代の田野倉を指導していたという同僚の立石真弓教諭(41)は「当時は悪ガキだったけど、まさか先生になるとは思わなくてビックリした」と明かし、「今は本当に真面目。生徒指導とかもしている」と教え子の成長ぶりに目を丸くした。

 田野倉の次なる目標は来年の世界選手権出場で、「この階級は世界のトップを狙えると前向きに捉えている」。あくまで教員生活を優先しながら、158センチの小柄な先生は戦う背中で熱血指導する

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