羽生 ハビに逆転許し今季初戦は2位 フリーは回転不足に、転倒も「考えすぎた」

銀メダルを首からさげた羽生結弦(左)。中央はフェルナンデス。
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 「フィギュアスケート・オータムクラシック」(23日、カナダ・モントリオール)

 男子フリーが行われ、ソチ五輪金メダリストで、SP首位の羽生結弦(22)=ANA=は、フリーでは苦しい演技となり155・52点で総得点は268・24点で、前世界王者で盟友のハビエル・フェルナンデス(スペイン)に逆転を許し、2位に終わった。フェルナンデスが279・07点で優勝した。

 演技を終えた羽生は悔しそうに手を振り下ろし、上を見上げた。フリーは2季ぶりの再演となった「SEIMEI」。伝説の陰陽師・安倍晴明となり、荘厳な世界観に挑んだ。狩衣をモチーフとした衣装に身を包み、まず冒頭の3回転ルッツに挑んだが1回転になるミス。後半は4回転-3回転の連続ジャンプこそきれいに決めたが、その後は回転不足が目立ち、トリプルアクセルでは転倒。いきなり世界記録を更新したSPとは一転して、ほろ苦い今季初戦の演技となった。

 次の滑走だったフェルナンデスの演技を見守り、拍手を送った羽生は、「最初の(3回転)ルッツが抜けちゃって、(次のジャンプで今大会は回避を決めていた)4回転ループを跳ぶことも一瞬考えた。そういう1つ1つの雑念がすごく多かった。いろんなことを考えすぎてぐちゃぐちゃになった。悔しさっていう大きな収穫を手に入れることができた」と次戦に向けて闘志を燃やしていた。

 羽生の直近4シーズンの初戦は次の通り。

 ◇2013-14年シーズン フィンランディア杯

 ソチ五輪シーズンの初戦はSP、フリーとも1位で、265・59点をマークし、完全優勝を飾った。フリーではサルコーとトーループの2種類の4回転ジャンプを決め、フリーと総得点ではいきなり当時の自己ベストをマーク。GPファイナル、五輪、世界選手権の3冠を獲得するシーズンを象徴するような幸先のいいスタートを切った。「まあ頑張ったかなと思う。調子が良くない中でサルコーとトーループの4回転ジャンプを決められた。後半疲れてしまったが、最後まで倒れずに滑れたのは良かった」

 ◇2014-15年 GP中国杯

 腰痛を発症し、シーズン初戦に予定していたフィンランディア杯を欠場。GPシリーズの中国杯が初戦となった。SPでは後半のジャンプが乱れ、2位に止まり「もう最悪の一言。ひどかった」。そしてフリーではよもやのアクシデントが待っていた。直前の6分間練習中に他の選手と激しく衝突し転倒。頭部などから出血するなど大けがに見舞われた。関係者が棄権を進める中、自らの意志で再びリンクに立つと、5度の転倒があったが、驚異的な精神力で最後まで滑りきり、237・55点で2位を死守した。

 ◇2015-16年 オータムクラシック

 SP、フリーとも1位の277・19点で完全優勝を飾った。フリーでは今季も使用する「SEIMEI」を試合で初披露。5項目の構成点ですべて9点台の高い評価を得たが、後半の4回転ジャンプで転倒し「点は思っていた以上に評価していただいたが、正直悔しい」と、悔しがった。ただ、ここで出た課題を見事に修正し、NHK杯、GPファイナルと完ぺきな演技で世界最高得点を連発した。

 ◇2016-17年

 オータムクラシック

 SP、フリーとも1位の260・57点で完全優勝を飾った。SPで、いきなりこのシーズンから組み込んだ4回転ループに世界で初めて成功すると、フリーでもループに成功した。ただ、フリーでは後半に2度転倒。「見ての通り、バテていた感じはあった。前向きな悔しさがある。次の試合はノーミスでやります。絶対に。そうじゃなきゃ羽生結弦じゃない。一皮とはいわず、十皮でも二十皮でもむけるように追い込みたい」と、ギラリ。世界王者奪還のシーズンへとつなげていった。

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