重友復活V リオ逃した雪辱果たした、世界選手権出場も濃厚に

 「大阪国際女子マラソン」(29日、ヤンマースタジアム長居発着)

 2012年ロンドン五輪代表の重友梨佐(29)=天満屋=が2時間24分22秒で5年ぶり2度目の優勝を果たした。昨年もこの大会に出場しリオデジャネイロ五輪出場を目指したが、5位と撃沈。前回優勝時に記録した自己ベスト更新には届かなかったが、雪辱のレースで世界選手権(8月・ロンドン)の出場に前進した。

 5度目の浪速路は、今までとは全く違った42・195キロだった。「ここにまた戻ってきて(1位で)ゴールできてうれしいです」。12年に2時間23分23秒の好記録で優勝しロンドン五輪を決めたのが自身のハイライト。タイムは少し及ばなかったが、再び頂点に立った重友の瞳からは自然と涙があふれ出た。

 大人の走りだった。12キロ過ぎに先頭がペースを上げても無理についていかず、第2集団で冷静さを保った。25キロ過ぎでペースアップ。徐々に順位を上げると、35キロで先頭を捉えた。以前は後半の展開が記憶にないこともあるほどの“前半勝負型”だったが、「今回は最後までしっかりした足取りだった。こういう走りもできるって思えた」と充実の笑みを浮かべた。

 リオ五輪を目指して挑んだ昨年のこの大会は5位。出場を逃し、心が折れかけたときに定めた目標が「もう一度ここで自己ベストの走りをすること」だった。3月に右足の足底筋膜炎を発症しても無念の思いに駆られ、必死で走り続けた。

 しかし思いは空回りした。症状は悪化。夏の約2カ月間は全く走れなかった。出場大会を遅らせる案もあったが「目標をずらしたくなかった」。意地で当初のプランを貫いた。やっと10キロを走れたのが11月末。現在も痛みは残るが、結果を残せない自分と決別したい一心で走り抜いた。

 79位と涙をのんだロンドン五輪から5年。この優勝でロンドンで開催される世界選手権出場が濃厚になった。「復活というより、新しい自分でのスタート」と重友。諦めずに進んできた道は、再びロンドンへと続く。

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