高橋連覇リオ内定に「ヨッシャー!」

 「競歩・日本選手権・20キロ」(21日、六甲アイランド南大学周辺コース)

 男子20キロ競歩は高橋英輝(23)=富士通=が1時間18分26秒で連覇し、リオデジャネイロ五輪代表に内定した。1時間16分36秒の世界記録保持者・鈴木雄介(28)=富士通=が恥骨結合炎の影響で欠場し、五輪が絶望的となる中、後輩が新エース襲名を宣言。先輩のためにも五輪でのメダルを誓った。

 高橋は「ヨッシャー!」と絶叫し、ゴールテープを両手でつかんだ。昨年は鈴木に競り勝って初制覇した大会を連覇し、初の五輪を決めた。何度も右手でガッツポーズ。「五輪は子供のころからの夢。雄介さんの分までメダルを」と宣言した。

 いつも食らいついていた先輩の背中はなく、自らがレースを引っ張る立場。派遣設定記録1時間20分12秒をクリアする藤沢勇(28)=ALSOK、松永大介(20)=東洋大=の3人で競り合った。

 「2人に利用されるのはストレスだった」。後ろの2人の息づかいを聞き、「疲れてしまった」と何度も気持ちは折れかけた。

 1週間前には「緊張もあった」とタイムが下降し絶不調。それでも先輩不在の中、絶対に負けられなかった。「持ちこたえられた。ねじ伏せようと思った」と、17キロ付近でスパートし、ライバルを置き去りにした。

 国立の岩手大出身。同大の清水茂幸部長が「4年間ぬるま湯。まだ0・5人前」と評するように、体育会とは無縁だった。昨年富士通入りし食生活、厳しい練習環境と一変した。昨夏の世界選手権は47位。出るだけで満足から、目標は「メダル」と、明確になった。

 「雄介さんと、今のうちに差をつける。リオでしっかり結果を出したい」。鈴木が復帰後もエースの座を譲るつもりはない。

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