ロシア陸上、ドーピング組織的違反

 リオ五輪の陸上種目からロシア選手の姿がなくなる可能性が出てきた。WADAの第三者委員会は、12年ロンドン五輪女子800メートル金メダルのマリヤ・サビノワを含む5選手と4人のコーチ、1人の医師は永久資格停止処分が適当とした。モスクワの検査所の認定取り消しと責任者の永久追放も求めた。

 これを受けてWADAは10日に同検査所の認定を取り消した。

 調査報告書によると、ロシアは1400を超える検体を故意に廃棄するなどしており、WADAの第三者委員会で調査の責任者を務めたパウンド氏は9日の会見で「ロシアは組織的なドーピングを把握していたと思う」との見解を示した。

 違反を隠す目的の賄賂の実態については、適切な調査ができる国際刑事警察機構(ICPO)に証拠を手渡したとしている。

 国際陸連のコー会長は「クリーンな選手を守り、競技への信頼を回復するためなら何でもする」との声明を発表し、ロシア陸連への処分検討を開始する緊急指示を出した。

 ロシアのムトコ・スポーツ相は地元メディアに「証拠に乏しい。新たな内容は一つもない」と反論。英BBC放送によると、同国陸連は「どんな処分も国際陸連が会議で話し合うべきだ。WADAに資格停止を下す権利はなく、弁明する機会が必要」と指摘した。

 報告書で14年ソチ冬季五輪当時はロシア連邦保安局(FSB)が検査所を実質的に掌握したとされ、パウンド氏は「検査結果にごまかしがなかったと言える自信がない」との認識を示し、「氷山の一角。陸上やロシアだけの問題でない」と問題拡大を懸念。WADAのリーディー委員長も「スキーや他競技への波及も心配」と言及した。

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