世羅・女子は大逆転で悲願の初優勝

 「全国高校駅伝」(20日、西京極陸上競技場発着)

 男子は世羅(広島)が、04年の仙台育英(宮城)の記録を14秒更新する2時間1分18秒の大会新記録で、第1、2回大会以来の連覇を成し遂げ、優勝回数は西脇工(兵庫)を抜いて単独最多の9度となった。女子も世羅が最終5区で向井優香(2年)が35秒差を逆転し、1時間7分37秒で初めて制した。アベック優勝は93年の仙台育英(宮城)以来、22年ぶり2校目。

 初めて1番で切るゴールテープを見たら、アンカー向井の目に自然と涙があふれた。女子の世羅が悲願の初優勝。2年生のヒロインは「夢みたい」と表情を崩した。

 ともに刺激し合ってきた1区の主将・小吉川が区間賞を獲得した。出走前に一報を聞き「何位できても頑張る」とこぶしを握った。エースの使命は、35秒差の4位で受けたタスキを先頭まで持っていくことだった。

 徐々に差を詰め、約3キロ地点で2位に立つと、気持ちは「頑張る」から「優勝しかない」へと変化した。「ガンガンいこうと思った」。今までやってこなかった筋トレに毎日取り組み、強化してきたスピードが生きた。残り1・3キロ付近で先頭を捉え、一気に抜き去った。大差をひっくり返したヒロインを西京極の大歓声が迎えた。

 最多優勝を誇る男子と練習をともにする。前回優勝した男子には取材が殺到した。一方の女子は昨年の10位が最高で、試合翌日の新聞の扱いは雲泥の差だった。気付けば「男子だけじゃない」「男子に負けないように優勝しよう」が合言葉になっていった。

 主将の小吉川は「ありがとう」と向井を抱きしめ、向井も「先輩のおかげです」と2人で泣いた。「これを弾みに、もっと上にいきたい」と向井。涙の初優勝は、女子部の新たな大きな一歩だ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス