桐生今季最終戦10秒09でリオへ前進

 「陸上・布施スプリント」(18日、鳥取市コカ・コーラウエストスポーツパーク陸上競技場)

 今季最終戦として男子100メートルに出場した桐生祥秀(19)=東洋大=は、記録会の2本目に公認記録で10秒09(追い風0・3メートル)をマークし、16年リオデジャネイロ五輪の参加標準記録(10秒16)を突破した。今季日本最高タイ、自己3度目の10秒0台で、初の五輪出場へ前進した。故障が続いた今季をいい形で締めくくり、来季の目標に「9秒台」と、「五輪決勝進出」を掲げた。

 最後の最後にようやく桐生らしい走りがさく裂した。スタートから持ち前の加速で飛び出すと、中盤からも一気の伸びで風のようにゴールを駆け抜けた。リオ五輪の参加標準を突破する10秒09(追い風0・3メートル)の表示を確認すると、笑顔が弾けた。

 1本目も10秒09だったが、2・4メートルの追い風参考記録。今季の最後のレースで、復活を印象付ける走りを披露し「公認で出せて良かった。いい感じで来季につなげられる」と、胸をなで下ろした。

 3月のテキサスリレーで追い風参考記録ながら電気計時では日本人初の9秒台となる9秒87(追い風3・3メートル)を出し、一気に公認9秒台への期待が高まった。しかし、その後は相次ぐ負傷に苦しめられ、昨年のアジア大会に続き、世界選手権出場も逃した。

 「大学とか、人のせいにして逃げたところもあった」。メンタル面がマイナスに傾いたこともあったが、周囲の支えもあり、自らを見つめ直し、坂道トレーニングを自主的に導入。復調につなげた。

 日本歴代2位で10秒01の自己記録には届かなかったものの、レース後は「来年こそは9秒台を出して、リオ五輪では決勝を目指したい」と、来季に向け2つの偉業を目標に掲げた。今季は3歳年下で世界ユース王者のサニブラウン・ハキーム(城西大城西高)が盛り上げた日本の男子短距離陣。真の主役は誰なのか、その走りで証明する。

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